Google Vidsは、Googleが開発するAI搭載の動画作成ツールで、Google Workspaceの一部として2024年に発表されました。スライドや文書と同様に、職場でのコミュニケーションやプレゼンテーションを動画で効率化することを目的とし、専門的なスキルがなくても、AIを活用しながら手軽に動画コンテンツを作成できることから、ビジネス用途を中心に注目を集めています。

今回のアップデートでは、カスタムAIアバター、Chrome拡張によるスクリーン録画、YouTubeへの直接エクスポートが順次展開され、動画制作のプロセスをさらに進化させます。これにより、企画から制作、公開までの流れが一つの環境に統合され、運用負荷の大幅な軽減が期待されます。

Google Vidsでカスタムアバターを作成・カスタマイズ可能に

Google VidsのAIアバターは、他プラットフォームと比較して5倍の人気を誇る高品質なスピーカーを提供し、「Nano Banana 2」によりブランドやメッセージに合わせたカスタマイズが可能です。カスタムアバターを活用することで、組織を象徴する独自のブランディングの構築、地域に応じた外観や背景の調整、動画のトーンに合わせた衣装演出などが実現できます。

また、ガイド付き生成により簡単に初期アバターを作成でき、メガネや帽子の追加、場所の変更といった具体的な調整にも対応。さらに、7種類の声質から選択し、ビジュアルと自然に組み合わせることができます。

カスタムアバター

拡張機能で、Chromeから直接画面を録画可能に

新たに提供されたGoogle Vids Screen Recorder Chrome拡張により、ブラウザ上から直接画面録画が可能となりました。これにより、Vids本体を開くことなく、ツールバーから即座に収録を開始できます。

任意のタブから録画を行えるため、作業フローを止めることなく操作説明やプレゼンテーションの収録が可能です。最大30分の動画に対応しており、実務用途にも十分対応します。

録画後はそのままプレビューを確認し、Vidsで編集・共有が可能です。本機能はGoogle Workspaceユーザーおよび個人のGoogleアカウントユーザーに対して追加料金なしで提供され、Chromeウェブストアから入手できます。

管理者は、組織内でVidsが有効化されている場合、デフォルトで利用可能としつつ、管理コンソールから強制インストールやツールバーへの自動ピン留めを設定できます。ユーザー側でも未導入時には拡張機能を追加し、ピン留めすることで利便性を高める運用が推奨されています。

どのブラウザウィンドウからでも画面をすばやく録画

Google動画をYouTubeへの直接エクスポート可能に

Google Vidsで制作した動画は、ファイルメニューからYouTubeへ直接エクスポートできるようになりました。従来必要だったMP4書き出しと手動アップロードの工程が省略され、作業効率が大きく向上します。

エクスポートされた動画は初期状態で非公開となり、YouTube Studio上で内容を確認したうえで公開または限定公開へ切り替えることが可能です。これにより、セキュリティとクリエイティブコントロールの両立が実現されています。

本機能は、迅速リリースドメインでは2026年3月31日から、スケジュールリリースドメインでは2026年4月14日から全面展開されています。

利用には、YouTubeおよびGoogle Vidsの両方が組織で有効化されている必要があります。YouTubeが無効、または制限モード(厳格・中程度)が適用されている場合、本機能は表示されません。管理はドメイン、OU、グループ単位で制御可能であり、エンドユーザーはVids上から簡単にエクスポート操作を行えます。

ファイルメニューの新機能を使用して、動画をYouTubeに直接エクスポート

企業の動画活用のハードルを一段引き下げる

今回のアップデートは、単なる機能追加ではなく、動画制作の“分断された工程”を統合する設計思想が明確に表れている点が重要です。

特に注目すべきは、

AIアバターによる“出演者不要化”

Chrome拡張による“収録ハードルの低減”

YouTube直結による“配信の即時化”

という3点が、ひとつのプロダクト内で完結していることです。

これまで動画制作は「撮影」「編集」「書き出し」「アップロード」と複数ツールを横断する必要がありましたが、Google Vidsはそれらを一体化し、思いついた瞬間に動画を作って公開できる環境”へと近づけています。

企業においては、マーケティングや教育、社内ナレッジ共有など、動画活用のハードルを一段引き下げる可能性があります。特に非専門職でも扱える設計は、今後の動画活用の裾野拡大に直結するでしょう。一方で、一部機能は現時点では英語版のみでの提供となっており、日本語環境での完全な利用にはまだ制約があります。今後の日本語版対応の進展が、国内企業での本格活用を左右する重要なポイントとなるでしょう。

最新のDXニュースやセミナーのハイライトをいち早くお届けしている公式YouTubeチャンネルもあわせてチェックしてみてください。
▶ DXマガジン公式チャンネルはこちら