
サウジアラビアの旗とパイプラインのイメージ。2022年2月撮影。REUTERS/Dado Ruvic
[カイロ 9日 ロイター] – サウジアラビアのエネルギー施設に対する一連の攻撃で、同国の石油生産能力が日量約60万バレル、東西パイプラインの輸送量が約70万バレル減少したと、サウジ国営通信(SPA)が9日、エネルギー省当局筋の話として報じた。
同省筋は攻撃の主体を明らかにしなかったが、サウジはここ数週間、イランのミサイルやドローンを多数迎撃している。SPAによると、一部施設に対する以前の攻撃も含む一連の攻撃により、首都リヤドや東部州、ヤンブー工業都市にある主要な石油、ガス、精製、石油化学、電力施設の操業にも混乱が生じている。
サウジはこれまで、2月末に始まった米国とイスラエルのイラン攻撃に伴う油田生産や製油所、パイプライン輸送量への影響について詳細を明らかにしていなかった。
同省筋によると、東西パイプラインのポンプ場1か所が被弾し、処理能力が日量約70万バレル減少した。同筋は、このパイプラインが現在、世界への石油供給の主要ルートになっていると説明した。
同筋はさらに、マニファ油田への攻撃で生産能力が日量約30万バレル減少したほか、クライスの施設に対する以前の攻撃でさらに30万バレル減少したため、全体で日量約60万バレルの減少になるとした。
<主要製油所にも被害>
SPAによると、ジュベイルにあるSATORPの施設や、ラスタヌラ製油所、ヤンブーのSAMREF製油所、リヤド製油所など主要な精製施設も攻撃を受け、石油精製品の輸出に直接的な影響を及ぼしている。ジュアイマの処理施設も火災に見舞われ、液化石油ガス(LPG)や天然ガス液(NGL)の輸出に影響が出ている。
SATORPには仏トタルエナジーズ(TTEF.PA), opens new tab、SAMREFには米エクソンモービルが出資している。
同省筋は、攻撃が続けば供給が減少して回復が遅れ、消費国のエネルギー安全保障に影響を与えるほか、石油市場のボラティリティーが高まると指摘。SPAは、今回の混乱で在庫や緊急備蓄の大部分がすでに枯渇しており、供給不足を補う能力が制限されていると伝えた。
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