メタ・プラットフォームズは4月8日(米国時間)、新たなAIモデル「Muse Spark」を発表した。最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグが昨年「Meta Superintelligence Labs(MSL)」のもとで開発体制を刷新して以来、初の主要な人工知能(AI)モデルとなる。

メタによるとMuse Sparkは、ザッカーバーグが掲げる「パーソナル・スーパーインテリジェンス」というビジョンに向けた一歩だという。なお当面は、クローズドソースとして提供される予定だ。

ザッカーバーグはSNSに、メタの目標は「単に質問に答えるだけでなく、ユーザーの代わりにタスクを実行するエージェントとして機能するAI製品を構築することだ」と投稿した。また、「これが創造性や起業、成長、そして健康の新たな波を後押しすることに楽観的だ」とも付け加えている。

Muse Sparkは、2025年4月に発表された「Llama 4」と比べて大幅な進化を遂げているとみられる。同モデルは性能面で平凡と評価され、業界では失望とともに受け止められていた。

オープンソースモデルも視野

メタは「Muse Spark」をmeta.aiおよびMeta AIアプリを通じて提供する。ただしLlamaとは異なり、ダウンロードして利用できる形では公開されていない。もっともメタは、将来的にはオープンソース化を目指すとしている。メタはこれまでオープンソースAIのリーダーと見なされており、Llamaシリーズを研究者やスタートアップ、ホビイスト向けに公開してきた経緯がある。

ザッカーバーグは「今後は、知能と能力のフロンティアを押し広げる、ますます高度なモデルをリリースしていく計画であり、その中には新たなオープンソースモデルも含まれる」と記している。

メタが公表したMuse Sparkのベンチマークスコアによると、このモデルは一部のタスクにおいて、OpenAIやAnthropic、グーグル、xAIの最新モデルを上回る性能を示しているという。メタはブログ投稿で「Muse Sparkは、わたしたちのスケーリング・ラダーにおける最初の一歩だ」とし、人間の能力を大きく上回るAIの構築を目標としていることに言及した。

AIのベンチマーク企業であるArtificial Analysisは、Muse Sparkの早期アクセスを受けた。その検証の結果、このモデルはこれまでテストしたなかでも最良のもののひとつだとSNSで評価している。「Muse SparkはArtificial Analysis Intelligence Indexで52点を記録し、当社がベンチマークしたモデルの中でトップ5に入る」と投稿し、これは複数のサードパーティベンチマークを組み合わせた独自の評価指標に基づくものだという。

医療アドバイス提供のため訓練

メタによると、この新モデルはネイティブなマルチモーダル設計で、テキストだけでなく画像、音声、動画も扱えるよう訓練されている。また、高度な推論能力を備えており、これは現在の最先端AIモデルに共通する重要な特徴だ。さらに、強力なコーディング能力を持つようゼロから設計されている。メタはこれらの機能を、現代の機械学習手法によってさらに高性能なモデルを構築していくための基盤だと説明している。

加えてメタは、Muse Sparkが医療アドバイスの提供に特に優れているよう設計されているとしている。ブログでは「健康に関する推論能力を向上させるため、1,000人以上の医師と協力し、より事実に基づいた包括的な回答を可能にする訓練データを整備した」と説明している。