Pixel 10a(Isai Blue)
Googleは、スマートフォンのベーシックモデル「Pixel 10a」を4月14日から発売する。もっともお手頃で、79,900円から選べるPixelシリーズとして展開していくが、新たな提案として注目したいのが「日本限定モデル」として、ヘラルボニーと共同で開発した「Isai Blue」だ。
Isai Blueは、鮮やかな「ブルー」が印象的な日本限定モデル。Pixelとしては初の国・地域限定モデルとなり、ストレージ容量は256GBのみ、価格は94,900円だ。
Pixel 10a(Isai Blue)
Pixel 10aのLavender(左)とIsai Blue(右)
ヘラルボニー(HERALBONY)は、知的障害などを持つ作家とライセンス契約を結び、アートデータを活用した事業を展開している。障害のあるアーティストの作品を「異彩」として、その個性を活かした製品デザインや空間装飾につなげ、福祉を起点としながら新たな文化やビジネス展開を図っている。
ウォレットやケースなどの自社製品だけでなく、企業や公共施設とのコラボレーションも多数で、世界最大級のクリエイティビティの祭典「カンヌライオンズ」での受賞歴もある。
Googleとも京都のイベントやケースデザインでのコラボレーションを行なってきたが、Pixel 10aのコラボレーションは、製品の企画段階から協力し、新たなカラー「Isai Blue」を採用したほか、パッケージやバンパー、ステッカー、壁紙などのデザインでも全面的に共創した。

日本で人気のPixelシリーズだが、独自カラーで国や地域限定モデルが発売されるのはPixelシリーズで初となる。ではなぜ、日本限定モデルを発売するのか?
Google Pixel 製品企画アジア太平洋事業統括 リージョナル ディレクターの阿部 和子氏は、スマートフォンが人々にもっとも身近なものになってきたが、「人がスマホにあわせてしまう」ことは「人間味が欠ける」とも感じていたという。
「人がテクノロジーにあわせるのではなく、使う人にあわせてテクノロジーが進化していく必要がある。Pixelシリーズは、先回りして、人に寄り添うものになっていきたい」とする。その中で、「エモーショナルなデザイン、人間らしさ、人間味に心動かされるものが必要」とし、「一人ひとりの個性に寄り添い、エンパワーするというGoogle Pixelの思想とも合致する」として、ヘラルボニーにコラボレーションを打診したという。
左からGoogle インダストリアルデザイナーの松岡良倫氏、Google パートナーシップ事業開発本部 執行役員 阿部 和子氏、水上詩楽氏、ヘラルボニー 松田崇弥 Co-CEO
ヘラルボニーからは、4月2日の「世界自閉症啓発デー」でもシンボルカラーとなったブルーを提案するとともに、アーティストの作品をGoogleに紹介。パッケージには、工藤みどり氏の作品を、壁紙には水上詩楽氏、工藤みどり氏、伊賀 敢男留氏の作品を採用したほか、壁紙に合わせたデザインのアイコンをAIを活用しながら作成、搭載している。ステッカーは、藤田 望人氏の作品。
アイコンは、各アーティストの作品をAIで読み込んだうえで、そのトーンを表現するプロンプトを作成。そのプロンプトをもとに、Google アプリのアイコンを壁紙にフィットするデザインで使えるようにしている。


Google アプリ以外も、壁紙に表示する際に独自のデザインに変更できるようになっており、アーティストの世界観のままスマートフォンを使えるようにしている。


Googleのソフトウェアチームが、銀座のギャラリーや店舗、盛岡の旗艦店などに何度も訪問し、作家の筆致や絵の具の重なりなどを観察して再現。「デジタルな画面やアイコンに、作家さんの表現の衝動が現れている。それが嬉しかった」とヘラルボニーCo-CEOの松田崇弥氏。


また、Isai Blueには「バンパー」が付属。印象的なブルーのマテリアルの質感をケースなどで隠さずに、そのまま使えるようにと配慮したという。また、このバンパーは、カメラがフラットになったことで、落下時の耐久性の課題を解消し、採用できたという。
バンパーは、「ずっとやりたかったことが実現できた」とGoogle インダストリアルデザイナーの松岡良倫氏。ブルーの再現にあたっては、「アルマイトの染色工程や再生プラスチックのレジンのミックスなど、Googleの品質基準を満たしながら実現するのは難しかった」とのこと。

製品企画の阿部氏は、「スマートフォンになにを求めるのか? ガジェットなのか、それともライフスタイルを選んでいるのか。端末の性能・機能だけでなく、『自分にしっくりくる』『心を動かされるもの』に惹かれるようになっていると考えている。その意味でも、カラーのバリエーションだけでなく、デザインのスタイルや細部にもこだわった」と説明。「日本だけ」の特別モデルとして、Isai Blueを展開する。
なお、Isai Blueは、Google Storeのほか、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなど各携帯電話事業者でも発売予定。

