Sam Altman (left) and Elon Musk (right)サム・アルトマン(左)とイーロン・マスク(右)は法廷闘争を繰り広げている。Getty Imagesイーロン・マスクが率いるxAIは、OpenAIが営業秘密を入手する目的で従業員を引き抜いたと訴えていた。カリフォルニア州の連邦裁判官は、OpenAI側の却下申し立てを認めた。マスクとOpenAIのCEOサム・アルトマンは、激化する法廷闘争の渦中にある。

カリフォルニア州の連邦判事は、イーロン・マスク(Elon Musk)のAIスタートアップ企業xAI(エックスエーアイ)が、OpenAIが営業秘密を盗む目的で従業員を引き抜いたとして起こした訴訟を棄却した。

2月24日に公表された判決で、アメリカ連邦地裁のリタ・リン(Rita Lin)判事は、証拠不十分を理由に、ChatGPTの開発元であるサム・アルトマン(Sam Altman)率いるOpenAIが提出した訴え却下の申し立てを認めた。

OpenAIはChatGPT以外で10億ドル以上稼いでいる…巨額の投資を行うために必要なこと | Business Insider Japan

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リン判事は判定文で次のように指摘している。

「とりわけ、OpenAI自身の具体的な行為に関する主張が欠けている。xAIは、OpenAIが元従業員に営業秘密の不正取得を促した、あるいはそれらの元従業員がOpenAI入社後に盗んだ営業秘密を使用したことを示す事実を何ら主張していない」

判事によれば、xAIはOpenAIによる具体的な「不正行為」を示す代わりに、「ほぼ同時期にOpenAIへ移籍した8人の元xAI従業員」の存在を挙げるにとどまったという。

リン判事はxAIに対し、決定文で示した問題点を修正した訴状を3月17日までに提出するよう命じ、再提訴の機会を与えた。

今回の判断は、テクノロジー業界の億万長者であるマスクとアルトマンの間で続く対立の最新曲面となる。

2025年、xAIはAppleとOpenAIを独占的行為の疑いで提訴した。さらにマスクは、2015年に共同設立したOpenAIが営利企業体制へ移行したことで、非営利としての使命を裏切ったとして、アルトマンおよびOpenAIを別途提訴している。これに対しOpenAIは、マスクによる「長年にわたる嫌がらせ行為」だとして反訴した。同訴訟は4月に審理開始が予定されている。

OpenAIはSNS「X」に投稿した声明で、今回の裁判所の判断を歓迎し、この訴訟を「マスクによる継続的な嫌がらせの新たな一幕」と表現した。xAI側の弁護士は、Business Insiderからのコメント要請にすぐには応じなかった。

今回却下された訴訟で、xAIは、OpenAIが同社の主力チャットボット「Grok(グロック)」に関する機密情報にアクセスする目的で元従業員を採用するという「極めて憂慮すべき一連の行為」に関与していたと主張していた。

xAIのAIチャットボット「Grok」。xAIのAIチャットボット「Grok」。Shutterstock

2025年に提出された修正訴状では、xAIは、OpenAIが複数の元従業員を「xAIの営業秘密を盗み、共有するよう誘導した」として、カリフォルニア州法および連邦法に違反したと非難している。

訴状は次のように述べている。

「xAIのイノベーションに脅威を感じたOpenAIは、単に競合他社の従業員を勧誘・雇用しているだけではない。組織的かつ不公平で違法なキャンペーンを展開し、xAIの中核技術や事業計画に関する知識を持つ人物を標的にしている」

訴状によれば、OpenAIは数カ月の間に、初期のxAIエンジニアであるジミー・フレイチャー(Jimmy Fraiture)や上級財務幹部を含む少なくとも8人を引き抜いたという。また、元従業員2人が営業秘密を盗んだことを認めているとしている。

これに対しOpenAIは一連の疑惑を否定し、今回の訴訟は同社に対するマスクの「継続的な嫌がらせ」の「最新章」に過ぎないと反論した。

却下申し立ての中でOpenAIは、マスクとxAIが「根拠のない営業秘密不正流用の主張を浴びせ」、さらに「現職および元従業員を威圧し、望む職場で働くことを妨害した」と主張した。

OpenAIの弁護士は申し立て書で次のように述べている。

「xAIの連邦法に基づく営業秘密不正流用の主張は、法的に成立しない。驚くべきことに、xAIはOpenAIが実際に営業秘密を取得または開示したとは主張していない」

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