OpenAIが、ChatGPT向けに検討していた成人向けチャット機能の開発を無期限で凍結したと報じられた。動画生成ツール「Sora」の終了に続く方針転換とみられる。
米OpenAIが、ChatGPT向けに検討していた「アダルトモード」の開発を無期限で凍結したと、英Financial Timesが報じた。OpenAIは先月、この機能の開発を延期していたが、今回は事実上の棚上げに踏み切った格好だ。
報道によると、Sam Altman CEOは周辺的な取り組みを縮小し、ChatGPT本体、コーディング支援ツール「Codex」、AIエージェント型ブラウザ「Atlas」など、中核製品に注力する方針という。今週終了が伝えられた動画生成ツール/アプリ「Sora」も、こうした見直しの対象だったとみられる。
アダルトモードは、成人向けテーマを含むテキストチャットを可能にする構想だった。ただし、性的な音声、画像、動画の生成は想定していなかったという。
一方で、この機能を巡っては社内外から懸念の声が上がっていた。未成年の利用を十分に防げない可能性があるほか、搾取的なコンテンツの流入を防ぎ切れない恐れがあるためだ。OpenAIは今月上旬の時点では、プロジェクトについて「終了ではなく一時停止」と説明していた。
CNETの取材に対し、OpenAIは記事掲載時点でコメントしていない。
英Financial Timesによると、アダルトモードの開発には複数の障壁があった。社内アドバイザーは、子どもがアクセスするリスクや、性的虐待に関わる素材がモデルに入り込む危険性を懸念。投資家の間でも、得られる利益に比べてリスクが大きいとの見方があったという。加えて、モデル学習の面でも技術的な課題があったとしている。
競争激化で中核事業に集中か
OpenAIはここにきて、事業の重点を見直しているようだ。背景には、GoogleやAnthropicとの競争激化があるとみられる。
Googleは11月に最新モデル「Gemini 3」を投入し、性能テストでChatGPTを上回ったとされる。Anthropicも同月、「Claude Opus 4.5」を発表した。報道によれば、Altman氏は12月、社員に対して「code red」を宣言し、ChatGPTの改善を急ぐよう求めたという。
米企業のAI導入動向を追う「Ramp Index」では、Anthropicの企業向けAI採用率が2月に5%上昇した一方、OpenAIは1.5%低下したとしている。
財務面の問題が今回の方針転換の直接の理由とされたわけではない。ただ、米The New York Timesによると、OpenAIは収支改善と収益拡大の両立を迫られている。OpenAI自身の予測では、2026年に140億ドルの損失を見込む一方、2030年までに総額2000億ドルを投じる計画という。
今回のアダルトモード凍結は、AIチャットbotにおける性的コンテンツを巡る批判の高まりとも無関係ではなさそうだ。Elon Musk氏率いるxAIのチャットbot「Grok」は、写真1枚から、未成年を含む人物の偽の裸体画像や性的な画像を作成できるとして批判を浴びている。米ボルティモア市は水曜日、本人の同意のない性的画像を生成したとして、消費者保護法などに違反するとしてxAIを提訴した。
Metaもまた、同社のAI botが子どもと性的・官能的な会話を交わせる状態になっていたとして批判を受けている。
Amazonで現在開催中のセールを観る
Amazonのアソシエイトとして、CNET Japanは適格販売により収入を得ています
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
