太田 萌枝=日経クロステック/日経コンピュータ
2026.03.30
出典:日経クロステック、2026年1月28日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
科学やロボティクスの領域でのAI(人工知能)研究・開発でグローバルをリードするGoogle DeepMind(グーグル・ディープマインド、以下GDM)。その活動拠点は日本にもある。「Gemini」などの日本語能力強化はもちろんのこと、ウェザーニューズや吉本興業グループといった国内企業などとの連携を通してAIモデルの開発や基礎研究につながる取り組みを推進する。
「グローバルな最先端のAIと⽇本のアカデミーや産業界を連携するハブになり、⽇本でできた解決策を世界中に展開していきたい」。こうした意気込みを見せるのは、GDMの東京拠点をリードする全炳河プリンシパルサイエンティストだ。
GDMは2大本部を英ロンドンと米シリコンバレーに置き、ニューヨークやチューリヒ、モントリオールなど各地に設けた拠点間でグローバルな研究ネットワークを構築する。東京はインド・ベンガルールに次ぐアジア・太平洋地域の研究拠点として2023年に開設した。
東京拠点は、2023年の開設以降その規模を拡大し、人員は約2年で4倍程度になっているという。グローバルで採用された人材の配属だけでなく、日本でも独自に採用を行う。2025年は日本から複数名、海外から複数名が新たに拠点のメンバーに加わった。
東京拠点はフロンティアAI、音声技術、自然言語処理、AIエージェントなど、研究開発の項目ごとのチームで成り立っており、それぞれの領域でグローバルに連携しながらAIモデルの能力向上や基礎研究などに取り組んでいる。

Google DeepMindの東京拠点の概要。アジア・太平洋地域の主要拠点として機能する
(出所:日経クロステック)
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例えば自然言語処理のチームでは、Geminiの日本語を含む多言語処理の研究開発や、推論などの能力向上、その評価のためのベンチマーク開発などを担う。音声技術のチームでも当然日本語の能力向上はグローバルでも主導する立場だが、音声合成や音声対話の領域は日本チームがグローバルな基礎能力開発をリードするという。
「漢字に複数の読みがある日本語は、文脈を理解しないと正しく読むことができないことも多い。どう文脈を理解し、正しい読みを発音できるようにするのかなど研究開発を進めている」(全プリンシパルサイエンティスト)と、日本語の特殊性が音声の合成や認識の能力向上に生きる面がある。
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