アンソロピックの機密の一部が露呈した。これにより、競合他社は同社の人気AIエージェント「Claude Code」の仕組みを垣間見ることとなった。アンソロピックの機密の一部が露呈した。これにより、競合他社は同社の人気AIエージェント「Claude Code」の仕組みを垣間見ることとなった。Bloomberg/Bloomberg via Getty Imagesアンソロピックは3月31日、同社のAIエージェント「Claude Code」のソースコードを誤って流出させた。流出したソースコードは瞬く間に拡散され、数百万回の閲覧数を記録したほか、GitHub上では多くの派生版が登場した。アンソロピックは拡散を抑えるため、著作権に基づく削除要請を送付した。

アンソロピック(Anthropic)が誇るAIエージェント「Claude Code」のソースコードが2026年3月31日にGitHubに出回ると、それをめぐる貪欲な争奪戦が始まった。

あらゆる分野のエンジニアたちが、そこから学びを得ようと、あるいは自らのプロジェクトの改善に役立てようと、可能な限り迅速にコードを吸収したのだ。

アンソロピック、Claudeの人気急上昇で利用制限の見直しを余儀なくされる | Business Insider Japan

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他者が作成したコンテンツに依拠して知能を向上させるという手法には馴染みがあるだろう。それはまさに大手AI企業が長年、大規模言語モデル(LLM)の訓練をめぐって競い合う中で、実践してきた手法そのものであり、アンソロピックも例外ではない。

そのため、流出したコードへのアクセスをエンジニアから遮断するため、アンソロピックが即座にホスト先のGitHubリポジトリへ著作権侵害による削除申し立てを行ったことは、ある種の皮肉を帯びた出来事でもあった。

「流出したClaude Codeのソースコードおよびそのフォーク(派生版)をホストしていたリポジトリのひとつに対し、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除要請を出した」とアンソロピックの広報担当者は述べた。

アンソロピック、OpenAI、グーグル(Google)はいずれも、出版書籍や記事、学術誌、その他オンライン上のコンテンツといった著作物を、明確な許可なく利用したとして訴訟を起こされてきた。作家やアーティスト、出版社は著作権法を用いて責任追及や、金銭的補償を求めている。

9月には、作家のアンドレア・バーツ(Andrea Bartz)、チャールズ・グレーバー(Charles Graeber)、カーク・ウォレス・ジョンソン(Kirk Wallace Johnson)らを筆頭原告とする集団訴訟で、裁判所はアンソロピックに対し、Claudeのトレーニングに海賊版の書籍やシャドウライブラリを使用したとして、15億ドル(約2400億円)の損害賠償支払いを命じている。

昨年6月、レディット(Reddit)はアンソロピックに対し、許可なく、またユーザーへの対価を支払うこともなく、モデルのトレーニング用に膨大なユーザー生成コンテンツを収集したとして訴訟を起こした。

また今年3月には、ユニバーサルミュージックグループ(Universal Music Group)、コンコード(Concord)、ABKCOの各社がアンソロピックに対し、2万曲以上の著作権保護された楽曲を違法にダウンロードし、モデルの訓練に使用したとして訴訟を起こした。

しかし現在では立場が逆転し、アンソロピックは自社の成果物を守るために著作権法に依拠している。「同様の事態の再発を防ぐための措置を講じている」と同社の広報担当者は述べた。

もっとも、同社にとって幸いなことに、今回の流出は一部で懸念されていたほど深刻ではない可能性がある。

サイバーセキュリティの専門家であり、マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)の社内チャットボット「Lilli」の脆弱性を発見したホワイトハッカー企業Code Wallの創設者、ポール・プライス(Paul Price)は、今回の流出において致命的なものは一切露呈していないとの見解を示した。

「今回の件は、実害というよりは恥ずかしい失態といったところだ。本当に重要で核心的な部分は社内の基盤モデルにあり、それは流出していない」

プライスによれば、アンソロピックが意図せず露出させたのは「ハーネス」、すなわち大規模言語モデルを実際の利用環境や文脈に接続するためのソフトウェア基盤だ。

「Claude Codeは、現存するエージェント用ハーネスの中でも設計が非常に優れている。そのため、彼らが難しい課題にどのように取り組んでいるのかが見えてくる」とプライスは付け加え、競合他社にとって有益な情報になり得るとも指摘した。

今回の流出は、AIブームに内在するパラドックスも浮き彫りにしている。すなわち、製品の開発とリリースをかつてない速度で可能にするその同じツールが、情報の機密性に関わらず、流出・複製・拡散を瞬時に容易にしてしまうという点だ。

Claude Code開発者「ソフトウェアエンジニアはコーディング以外の仕事を始めるだろう」 | Business Insider Japan

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