米OpenAIは3月31日、投資家から総額1220億ドル(約19兆円)の出資を受ける大型の資金調達を完了した。調達後の企業価値は8520億ドル(約135兆円)に達した。今回確保した資金は、AIの研究開発や新サービスの展開、大規模な計算基盤の整備に充てる。

 今回の発表でOpenAIは、ChatGPTを中心とする個人向けサービス、企業向け事業、APIを通じた開発者向け事業、そしてそれらを支える計算資源の拡大が、相互に成長を後押ししていると説明した。OpenAIによると、2024年末時点で四半期売上高は10億ドル(約1600億円)に達し、現在は月間20億ドル(約3200億円)の売上高を計上しているという。

 出資にはソフトバンクG、Amazon、NVIDIAが中核投資家として参加し、Microsoftも継続して加わった。さらに、BlackRock、Blackstone、Fidelity、Sequoia Capital、Temasekなどの機関投資家も参加した。個人投資家向けには銀行経由で30億ドル超(約4800億円超)を集めたほか、ARK Investが運用する複数のETFに組み入れることも明らかにした。

 また、既存の融資枠も約47億ドルに拡大した。ただし、この融資枠については、発表時点ではまだ使っていないとしている。

 製品面では、同社はGPT-5.4を「最も高性能なモデル」と位置付け、Codexを主力のコーディング支援AIとして展開している。加えて、記憶機能、検索、個人最適化、音声や画像を含むマルチモーダル機能の強化に加え、医療や科学研究、商取引分野への展開も進めているという。ChatGPTの週間アクティブユーザー数は9億人超、有料契約者数は5000万人超に達した。企業向け事業は売上高全体の40%超を占め、2026年末までに個人向け事業と同規模に成長する見通しとしている。APIは毎分150億トークン超を処理し、Codexの週間利用者数は200万人を超え、過去3カ月で5倍に増えたという。

 半導体については、NVIDIA、AMD、AWS Trainium、Cerebrasに加え、Broadcomとの協業による自社チップ開発を進める。急増するAI需要に対応するため、1社や1種類の半導体に頼らず、複数の基盤を組み合わせる体制を強化する考えだ。

 今後の製品戦略としては、ChatGPT、Codex、ブラウジング機能、各種エージェント機能をまとめた「AIスーパーアプリ」の構想も打ち出した。より高性能なモデルを開発するだけでなく、ユーザーが1つのサービス上で指示を出し、複数のアプリやデータをまたいで作業できる環境を整える狙いがある。OpenAIは、個人向けサービスで築いた利用者基盤を企業利用にもつなげ、今回の大型調達をその加速材料と位置付けている。

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