コンピューターの画面を見る男性の背中あるAIエンジニアは12月からコードを書いていないという。Nimito/Getty ImagesAIエンジニアのローハン・ゴアは、2025年12月からコードを書いておらず、複雑な心境だという。38歳のゴアは、ソフトウェアの構築と設計に集中するための時間が増えたことを喜んでいる。一方で、AIの進歩が自身の将来のキャリアにどのような影響をもたらすかを懸念している。

本記事は、バンクーバーを拠点とする市場調査企業のReach3 Insightsに勤める38歳のAIエンジニア、ローハン・ゴア(Rohan Gore)とのインタビューに基づいている。Business Insiderは、ゴアの身元や勤務先について確認した。また、文章は読みやすさや長さを考慮して編集している。

私は2010年にコンピュータサイエンスの学位を取得し、それ以来、この業界で働いてきた。

私は当初、マーケティングリサーチにおける興味深く複雑な問題に取り組む、ごく普通のソフトウェアエンジニアだった。そして今は、AI(人工知能)エンジニアだ。

だが、ソフトウェアエンジニア業界におけるAIの影響について、複雑な気持ちを抱いている。

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私は2025年12月に、コーディングに関するすべてのタスクをAIに任せた。これは非常によく機能したが、最初はあまり良い気持ちではなかった。長年コーディングをやってきたので、これでもうコーディングが完全になくなるとわかったからだ。

それ以来、私はコーディングを行っていない。これは、私の仕事の新しい現実だ。AIがコーディングのタスクを引き継いだからといって、1日中外で遊べるわけではない。もし求められるなら、私は今でも同じ水準の成果と質の仕事を行えるだろう。AIが一部のタスクを引き継げるとしても、もっと仕事をするべきだという期待があり、時々燃え尽きたような気持ちになる。

AIの登場にワクワクし、仕事の変化を楽しんでいる

現在、AIには多くの安全対策が必要で、私のバックグラウンドやシステムに関する知識が非常に役立つと思っている。

3カ月コーディングしていないことはうれしいことだ。それは、ソフトウェアやアーキテクチャ、設計など、なかなか進まない分野の仕事がたくさんあるからだ。AIは設計やデザインを行えるが、現在では多くのサポートが必要だ。それこそが、AI時代にソフトウェアエンジニアリングの知識がこれまで以上に重要になっている理由だ。少なくとも現時点では。

サポートが必要と思われるシステムは多いが、私はそれが大好きで非常に相性がいいため、自分にとっていい状態だと思う。

私は何年もコーディングを行ってきたが、結局のところ、それは目的達成のための手段にすぎない。だから、非常に高度な技術だと思ったことはない。しかし、コーディングには多くの「ニュアンス」があり、それによってイライラさせられ、疲れさせられることもある。だから、私はこの新しい時代を楽しんでいる。

AIによって、より多くの調査をより早く行えるようになった。単に実行するだけではなく、プロダクトに関する意思決定に疑問を投げ、より深く考えるようになった。私は常に納期に追われていたが、AIのおかげで余裕が生まれ、製品に関する意思決定のプロセスを理解できるようになったため、今ではプロジェクトマネージャーの業務を批判的に評価できる。つまり幅広いプロダクトエンジニアリングの役割を担うようになり、私はそれを楽しんでいる。

これは以前はできなかったことであり、このペースで行えることをうれしく感じている。数カ月かかった機能を2、3日で作れることはすばらしいことだ。これは驚くべき変化で、とてもうれしく、ワクワクしている。

将来について心配している

現在の状況を楽しんではいるが、いつもその裏では「OK。でも、次はどうなるだろう」と思う。テクノロジーは日々進歩している。AIが 永久に自律的に動作するようになるのは、私にとって不安なことだ。その場合、私が何をすればいいのだろう。

仕事がこれほど変わったことを不思議な気がする。時々、言葉が出なくなるときもある。多くの考えや感情が頭の中を駆け巡っているのだ。多くは興奮に変わるが、考えれば考えるほど恐怖に変わる。AIエージェントはあまりにもパワフルであるため、怖気づくこともある。

私は会社のSlackで、自分の一生をかけてもAIが書くコードの10%に満たないコードも書くことはは不可能だと意見を述べた。結局、典型的な問題を見ると、1%の天才を除いて、多くの人間は太刀打ちできないのだ。

コーディングは時間をかけて習得するスキルであり、私もうまくできるようになるまで時間がかかったので、時々負かされた気持ちになる。変化を嫌っているわけではないが、恐怖があるということだ。

すべてのことが完全に自動化され、人々がAIに頼むようになったら、一体何が起きるのだろうか。

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