Claudeの利用者でさえ、この技術に不安を抱いている。Maskot/Getty Images/Maskotアンソロピックは2025年12月、約8万1000人のClaudeユーザーを対象に大規模な調査を実施した。その結果が発表され、AIの利用者でさえこの技術に不安を抱いていることが示された。あるソフトウェアエンジニアは、自動車が発明されたときの御者も同じように感じていたのだろうかと語った。
アンソロピック(Anthropic)のClaudeはすでにハイテク株に大きな影響を与えている。ユーザーたちはその影響が自分たちにも及ぶのではないかと考えている。
世界中の約8万1000人のClaudeユーザーが匿名調査に参加し、AIの将来に対する希望と不安をAIインタビュアーに語った。

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「自分の専門分野で仕事が見つからない……AIツールに助言を求めれば済んでしまうからだ」とアメリカを拠点とするフリーランスのソフトウェアエンジニアは調査で語った。
「私のキャリアは専門知識の上に築かれてきたが、その知識はいまやワンクリックで手に入るものになってしまった」
こうした不安の広がりは、アンソロピックのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)CEOが示した、今後1年から5年の間にAIがホワイトカラーのエントリーレベルの職のうち、最大で半数を消し去るだろうという予測とも一致している。さらに注目すべきは、この調査が2025年12月に実施された点だ。これは、Claudeに対する懸念がソフトウェア株の売りを招き、AIの現状をめぐる論考が拡散する数カ月前にあたる。
以下に、Claudeユーザーの発言の中から特に目立ったものを紹介する。
雇用への不安
オーストリアのソフトウェアエンジニアは、AIを使ってプロジェクトを進めながら、その所要期間について雇用主に虚偽の説明をしていた:「新しいソフトウェア機能の開発には3カ月必要だと伝えたが、その仕事をAIが2週間で終えた。残った時間は家族と過ごした。もし雇用主が『2週間で可能だ』と知れば、次も2週間での納品を要求してくるだろう。浮いた時間は結局、さらなるストレスに変わるだけだ」
韓国のソフトウェアエンジニアは、自動車が登場した時代に思いを馳せた:「馬車の御者が自動車の登場を目の当たりにしたときも、このような心境だったのだろうか。馬の扱い、車輪のメンテナンスなど、それまで磨き上げてきたスキルのすべてが、突如として無用なものになってしまったのだ」
また複数のソフトウェアエンジニアが、自社のAI導入計画に関わることへの不安を表明した:「私はエンジニアの人数を30%削減することを目標に、こうしたAIシステムを導入する責任を負っているが、まるで自分の手が血に染まっているように感じる」とアメリカのエンジニアは記している。
フランスの失業中の労働者は、雇用市場の厳しさを語った:「私はソフトウェア開発者で、必死に仕事を探しているが、市場は完全に冷え込んでいて職が見つからない。4年前には存在していたエントリーレベルの仕事は、いまや完全に消えてしまった。面接後に型通りの不採用メールを受け取って打ちのめされる。自分が失業している理由はAIの台頭にあるという、痛切な真実を突きつけられている」
ある労働者は、失業から再出発までAIが関わっていたと語る:「会社がAIを導入したことで解雇され、その後はAIを使って別の仕事に就くための再訓練を受けた。この経験は屈辱的だった」
スイスの大学院生は、時間との戦いに追われている:「博士課程の給付金から200ドル(約3万2000円)を払って、Claude Codeやその他のAIツールを使っている――ただ競争に生き残るためだけに。AIがすべてを乗っ取る前に、いくつか優れた論文を発表しようとしている。自分でも嫌になる。人間の仕事が価値を失うのは時間の問題だ」
アンソロピックによれば、ユーザーの最大の懸念は「信頼性の欠如」(26.7%)だった。次いで「雇用および経済関連の懸念」が22.2%、「自律性と主体性の喪失」が21.9%と続く。その他の項目はいずれも20%を上回らず、約11%のユーザーは「まったく懸念はない」と回答した。
ユーザーが表明したのは不安だけではなかった。AIによって生産性を高めたいと考える一方で、その究極の目的は周囲の人々との関わりをより深めることだとする声もあった。
