【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:ESA/Hubble)
こちらはハッブル宇宙望遠鏡が、2018年11月に撮影した天王星です。
ハッブル宇宙望遠鏡は、巨大ガス惑星の大気の変化を捉える「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」プログラムのもとで、木星・土星・天王星・海王星の観測を2014年から毎年行っています。今回紹介する画像も同プログラムの一環として取得されたデータをもとに作成されたものです。
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が2018年11月に撮影した天王星。淡い青緑色の球体の右側に、北極を覆う白く明るい雲の極冠が広がっている(Credit: NASA, ESA, A.A. Simon/NASA Goddard, M.H. Wong & A.I. Hsu/UC Berkeley)】
淡い青緑色をした天王星ですが、画像の右側に注目すると、白く明るい領域が広がっているのがわかります。自転軸が大きく傾いている天王星では、この画像における右側の部分が北極にあたります。この北極を覆う白い領域は「極冠(ポーラーキャップ)」と呼ばれる構造です。天王星の大気に含まれるメタンが太陽の光(紫外線)を受けて化学反応を起こし、上空に「もや(ヘイズ)」の層を作っていると考えられています。
この極冠が目立つ理由には、天王星ならではの事情が深く関わっています。先述の通り、天王星の自転軸は公転面に対して約98度も傾いており、太陽系の惑星のなかで唯一「横倒し」の状態で太陽の周りを公転しています。そのため、公転周期である約84年のうち、北極側と南極側はそれぞれ約42年間という長期間にわたって、連続して太陽の光を浴び続けることになります。
この画像が撮影された2018年は、天王星の北極が太陽の方を向き始めている時期にあたります。長い“夏”を迎えつつある北極側に太陽光が継続して当たることで、極冠の雲がより明るく広がって見えているのです。
なお、天王星の自転軸がなぜこれほど傾いているのかについては、「かつて地球の2倍以上の質量を持つ巨大な天体が衝突した」とする説や、「かつて存在した巨大な衛星の引力によって徐々に傾かされた」とする説などが提唱されています。いずれにせよ、この特異な傾きが、天王星に太陽系で最も極端な季節変化をもたらしています。
ハッブル宇宙望遠鏡をはじめとする観測により、天王星の季節変動や大気のメカニズムに関する理解は現在も深まり続けています。2025年には、過去20年分のハッブルの観測データを解析した最新の研究成果も発表されました。
編集/sorae編集部
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