【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESA/Hubble)

こちらは「エリダヌス座」の方向およそ10.5光年先にある恒星「エリダヌス座イプシロン星(Epsilon Eridani)」を周回する系外惑星「エリダヌス座イプシロン星b」の想像図です。画像が公開された2006年当時、この系外惑星は太陽系に最も近いとされていました。

※…現在はプロキシマ・ケンタウリb(約4.2光年)が最も近い系外惑星として知られています。

エリダヌス座イプシロン星(Epsilon Eridani)を周回する木星質量の系外惑星「エリダヌス座イプシロン星b」の想像図。惑星にはリングと衛星が仮想的に描かれ、背景には主星からの光を受けた塵の円盤が線状に見える。(Credit: NASA, ESA, G. Bacon/STScI)【▲ エリダヌス座イプシロン星(Epsilon Eridani)を周回する木星質量の系外惑星「エリダヌス座イプシロン星b」の想像図(Credit: NASA, ESA, G. Bacon/STScI)】

エリダヌス座イプシロン星は年齢がおよそ8億年と推定されており、約46億歳の太陽と比べるとはるかに若い恒星です。この星の周囲には太陽系の小惑星帯やカイパーベルトに相当するデブリ帯(塵と岩石の帯)が確認されており、太陽系の若い頃の姿を彷彿とさせる構造を持っています。想像図の背景にある薄い直線状の帯は、惑星の軌道面とほぼ同じ平面に広がるこの塵の円盤です。

惑星エリダヌス座イプシロン星bは、親星のわずかな「ふらつき」を捉える観測から2000年に存在が示唆され、2006年にはハッブル宇宙望遠鏡の観測によって質量や軌道の傾きが推定されていました。

その後、2025年2月に発表された最新の研究では、ハッブル宇宙望遠鏡やガイア宇宙望遠鏡などの長年にわたるデータを組み合わせた解析が行われました。その結果、質量は木星の約0.98倍であり、外側に広がる塵の円盤(デブリ帯)とほぼ同じ平面上を、きれいな円を描いて公転していることが明らかになったのです。つまり、太陽系の木星にかなり近い性質を持つ惑星だったということが裏付けられました。

ただし、これほど近くにある木星型惑星でありながら、いまだ直接撮影には成功していません。2025年にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のコロナグラフで直接撮影を試みたところ、予測された位置付近にかすかな光源が検出されたものの、惑星であるとの確認には至りませんでした。太陽に近い恒星を回る系外惑星のなかでも特に近い存在でありながら、姿を捉えることがいかに難しいかを物語っています。

なお、2015年には国際天文学連合(IAU)の命名キャンペーンにより、主星の「エリダヌス座イプシロン星」には北欧神話の海の女神にちなんだ「ラン(Ran)」、系外惑星の「エリダヌス座イプシロン星b」には「エーギル(AEgir)」という固有名が付けられています。

 

編集/sorae編集部

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