
2月9日、東京・永田町の自民党本部で撮影(2026年 代表撮影)
[東京 29日 ロイター] – 高市早苗首相は29日夕、中東情勢の緊迫化を受けた石油や関連製品の国内供給について、政府の対応状況を自身のソーシャルメディア(SNS)で説明した。石油派生品のナフサを原料とする人工透析用チューブなどの「透析回路」や、手術用の「廃液容器」について、安定供給を図る体制を立ち上げたとし、「ただちに供給が滞ることはない」と冷静な対応を呼びかけた。
高市氏は、備蓄から放出した石油が一部のバス・フェリー・トラック事業者や工場、農漁業向け燃料に十分行き渡っていない例があるとした上で、他の流通経路からの融通を支援していると説明。九州の路線バス会社への軽油供給再開や、海底ケーブル敷設船への重油補給を実現したと書き込み、「必要な量は全体として確保されている」と強調した。
価格の高騰がみられるナフサについては、国産品の確保を進める一方、輸入品は中東依存を減らすため他国からの調達に切り替えるよう取り組んでいるとした。ただ、アジアで生産し、日本に輸入している個別の製品については、「各国における原油不足により、長期的な供給に懸念」が生じていると認めた。
「透析回路」用の医療用プラスチック、手術中に使用する「廃液容器」に加え、食品包装材の原材料を例示し、「特に医療関係については、厚生労働省と経済産業省が連携して、サプライチェーンに関する情報を集約し、国内の医療活動が停滞しないよう、異なるサプライチェーン間での石油製品の融通支援など、安定供給を図る体制を立ち上げた」と説明。「ただちに供給が滞ることはないですから、落ち着いた対応をお願い申し上げます」とも付言した。具体的にどの程度の期間、安定供給を維持できる見通しかなど詳細には触れなかった。
ロイターは27日、政府が「透析回路」の国内シェア5割を占める企業から聞き取った結果、タイやベトナム工場へのナフサの供給不足により「早いものでは8月ごろから国内への出荷が困難」になる可能性を把握していると報道。手術用の「廃液容器」についても、国内シェア7割を占める企業のタイ工場へのナフサ供給が4月半ばまでで終了する見込みだとし、高市氏と関係省庁幹部が今後の対応について協議していると報じていた。
(鬼原民幸 編集:久保信博)
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

