(CNN) 約9500万年前に生息していた新種のスピノサウルスがニジェールで発見され、頭骨とあごの化石から、頭頂部に大きな骨のとさかを持っていたことが分かった。この生物は「スピノサウルス・ミラビリス」と命名され、スピノサウルス属では100年以上ぶりに特定された新種となる。
先月19日に科学誌「サイエンス」に掲載された研究によれば、この先史時代の生物は、背中に帆のような構造を持つ巨大な魚食恐竜「スピノサウルス・エジプティアクス」の近縁種と考えられる。スピノサウルス・エジプティアクスは1915年、ドイツの古生物学者エルンスト・シュトローマー氏によって初めて記載された。
今回の発見は、スピノサウルスをめぐる長年の議論に一つの答えを示す可能性がある。すなわち、獲物を追って水に飛び込んで泳ぐ海洋型の捕食者だったのか、それともサギのように水辺に立ち、浅瀬で魚を狙う存在だったのかという点だ。
この研究の筆頭著者で、シカゴ大学の生物学・解剖学教授ポール・セレーノ氏は、新たな研究結果はスピノサウルスが「地獄のサギ」と呼べる存在であったことを示していると指摘した。つまり、水陸両生的に水辺で狩りを行い、外見はサギに似る一方で、はるかに巨大で恐ろしい存在だったという。

スピノサウルスの新種のトサカはニジェールで発見された/Daniel Vidal/University of Chicago
新たに特定された化石によると、この生物は魚を捕らえるのに適した細長い吻(ふん)、頭部を突き刺すように動かせる首、さらに浅い水の中で狩りをできるほど長い脚を備えていたとみられる。
研究チームが頭部、首、後肢の比率を成体のアオサギと比較したところ、一連の類似点からスピノサウルスは開けた水辺や川岸で獲物に忍び寄って仕留めるのに適応していたことが示唆された。
セレーノ氏によれば、決定的な証拠となったのは、化石が内陸深くで発見された点だった。これは、この生物が海ではなく、河川や浅い水域に沿って生活し狩りをしていたことを示唆するという。大陸の中央で海洋適応型の巨大捕食者が見つかるのは、「シカゴでシロナガスクジラが見つかるようなもの」だという。
特徴的な頭部構造
新たに発見されたスピノサウルス・ミラビリスは、スピノサウルス・エジプティアクスと同様に頭部に骨のとさかを持っていたが、その形状はより顕著で際立っていた。
