
運動へ向かうフィオライアを見つめる柴田師(左)(撮影・亀井 直樹)
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芝スプリント春の頂上決戦「第56回高松宮記念」は26日、出走馬が確定した。4日に厩舎を開業した柴田卓師(45)がフィオライアでG1初挑戦。定年解散前の西園正厩舎に所属していた2走前のシルクロードSは16番人気V。新鋭厩舎に移って再び大仕事を成し遂げるか。また、サウジアラビア遠征明けの昨年NHKマイルC覇者パンジャタワーは栗東坂路の木曜追いで手応え良し。マイル&スプリント2階級G1制覇を目指す。枠順は27日に発表される。
感謝の気持ちを込めたG1初出走だ。柴田師が開業26日目で迎えるG1にフィオライアを送り出す。3日に定年解散を迎えた西園正厩舎から引き継ぎ、先月28日のオーシャンS10着からの転厩初戦となる。柴田師は「G1に出走できるのは自分の力ではなく、自分の厩舎に預けてくださったオーナーさんと、これまで育ててくださった西園先生をはじめ、関係者の皆さまのおかげ」と喜びをかみしめて「タフな馬でレース後の疲れも回復し、新しい環境にも慣れてくれました。(前厩舎から携わっている)中二さんが担当(厩務員)で心強いし、自然体で臨めそう」と笑みがこぼれた。
開業2戦目となった14日の阪神1Rで厩舎初勝利。1カ月に満たない短期間でも厩舎スタッフの意見を取り入れながら、新たな試みを行っている。「フィオライアもうちのスタンダードな調教をこなしてくれています。例えば、ゆっくり速歩(はやあし)をしたり」とうなずき「(自身が技術調教師時代に研修した)武英智厩舎でもやっていた横木(おうぼく)をまたがらせたりしています。人間で言うと四股を踏むような感じで後ろ脚に体重をかけて動きます。精神的にも肉体的にも効果があると思います」と説明した。
前走は出遅れたことで結果的に後方からメンバー中2位の上がり3F33秒7の末脚を繰り出した。それまでの先行策とは一転した内容を前向きに捉えながら「(2走前のシルクロードS1着からコンビを組む)太宰さんがレースを組み立ててくれると思います。追い切りでも、いい感触をつかんでくれていますので」と手応えをにじませた。22日の愛知杯では同じく4日に栗東で新規開業した橋田師が重賞初出走V。あの快挙にも刺激を受けた。管理馬をベストの状態に仕上げ、能力をフルに引き出す。その一点に集中している。
≪勝てば84年グレード制導入後≫柴田師は開業26日目でJRA・G1初制覇なら森秀師の69日目(93年ジャパンC=レガシーワールド)を更新する84年グレード制導入後の最速記録となる。先週の愛知杯は同じく新規開業調教師でアイサンサンを起用した橋田師が開業19日目で重賞初出走V。75年に開業5日目でクイーンS(アンセルモ)を制した諏訪富三師に次ぐ記録だった。あの快挙に続き、今週も記録が達成されるかもしれない。
◇柴田 卓(しばた・すぐる)1980年(昭55)5月18日生まれ、兵庫県出身の45歳。母方の祖父が日本馬として初めて凱旋門賞に出走したスピードシンボリのオーナーブリーダーである和田共弘氏。08年2月に栗東・荒川厩舎のスタッフになり、20年4月に池添兼厩舎へ。23年3月から小栗厩舎で調教助手を務めた。24年に調教師試験合格。今月4日に開業し、14日の阪神1R(シャンデヴィーニュ)で初勝利。JRA通算11戦1勝。
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