
写真は国会議事堂。2016年7月、都内で撮影。REUTERS/Toru Hanai
[東京 26日 ロイター] – 政府は26日開いた経済財政諮問会議に、国際通貨基金(IMF)で主任エコノミストを務めた米国のブランシャール・マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授とロゴフ・ハーバード大教授を招いた。金利上昇や中東危機によるスタグフレーションのリスクなどがある中、日本の財政政策について知見を求めるためで、高市早苗首相は冒頭、「世界経済が直面する課題や日本の財政政策の方向性についてきたんのない意見を伺いたい」と述べた。
オリビエ・ブランシャール氏は、「債務残高の対GDP(国内総生産)比を安定的に引き下げることは時間とともに難しくなる」とした上で、「基礎的財政収支(プライマリーバランス)を遠くない将来均衡させる」必要性に言及。「財政への信頼性が重要」と強調した。オンラインで参加したケネス・ロゴフ氏は「世界各国が金利上昇に直面しており日本も無縁ではない」と指摘。「ウクライナ戦争、中東情勢による経済へのショックにより(物価上昇と景気後退が同時進行する)スタグフレーションのリスクに世界は直面している」と懸念を表明した。
内閣府幹部の事後説明によると、ロゴフ氏は中央銀行の独立性が重要とも発言。プライマリーバランスの黒字化に要する期間についてブランシャール氏は5年を例に挙げる一方、ロゴフ氏は「5年でよいのか」と話し、長すぎるとの見解を示したという。また、ブランシャール氏は複数年計画の明確な最終目標の設定や独立機関による債務試算の必要性に触れ、ロゴフ氏は日本の長期金利が3%に達する可能性や米ドルの覇権が弱体化した場合の日本経済への影響などに懸念を示した。
2人の海外識者参加は、昨年12月の諮問会議で民間議員の若田部昌澄早大教授が「海外有識者との継続的な対話を通じて、世界から学ぶ点と日本が発信すべき点を整理すべき」と提案したことを受けて実現した。
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