昨年3着の雪辱を期すフォーエバーヤング。(Photo by Shuhei Okada)

フォーエバーヤングが昨年の雪辱へ、勝利なら歴代賞金王に

波乱の中東情勢を受け、今年のドバイWCは10頭を割り込む少頭数で争われることになった。昨年はまさかの3着敗れたフォーエバーヤングとすれば、ライバルが減って雪辱へチャンス拡大としたいところだが、自身を含め上位4頭のうち3頭が引き続き参戦しており、決して楽な相手関係ではない。

昨年は大本命としてドバイWCに臨むも、精彩を欠く走りでまさかの結果に終わったフォーエバーヤング。直前のサウジCが3着以下を大きく離すレコード決着の激闘だった反動、レース当日の装鞍所でのトラブルなどが敗因に挙げられた。今年もサウジCからの臨戦だが、レース内容は終盤の上がり勝負で走破時計も2秒近く遅く、疲労の影響を比較的抑えられたのではないか。BC遠征から東京大賞典には向かわず、サウジCを経て叩き2戦目という臨戦もプラスと考えられる。勝てば香港のロマンチックウォリアーを抜いて通算獲得賞金の世界歴代最高に躍り出るが、偉大なキャリアにもう1ページ加えてほしい。

ただ、連覇を狙うアメリカのヒットショーは今年も不気味。昨年のドバイWCがG1初制覇で、当時は伏兵の域を出なかったが、フォーエバーヤングをピタリとマークし、先行勢が残る展開を覆した末脚は単にはまっただけとも思えない。米国では今もってG1未勝利だが、洋の東西を問わずコース巧者はいるもので、メイダン競馬場が殊のほか合っているようなら再びの大駆けも。



連覇がかかるヒットショー。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

フォーエバーヤングにとって不気味な存在がもう1頭いる。前哨戦のアルマクトゥームクラシックを勝って優先出走権を手にしたメイダーンがその馬で、昨年のドバイWCでフォーエバーヤングから約1馬身半差のウォークオブスターズを5馬身余り置き去りにした。しかも当時が初ダート。中盤まではキックバックを気にしたのか推進力が今ひとつだったが、第3コーナーから吹っ切れたような追い上げで突き抜けており、2戦目で慣れを見込める今回はさらにパフォーマンスを上げる可能性が小さくない。管理するS&E.クリスフォード調教師は芝が主戦場だったアルジールスをダート転向させ、2023年のドバイWCでウシュバテソーロの2着に導いた実績があり、今後も含めて注目したい存在だ。

前哨戦組では1月のアルマクトゥームチャレンジ(AMC)勝ちから直行のインペリアルエンペラーもいるが、昨年はドバイの前哨戦で好走しながら本番で11着に大敗した。外枠で流れに乗り切れなかった面があり、スムーズなら巻き返しの余地があるものの、これまでの対戦成績から実力はウォークオブスターズと五分といったところで、AMCの2着でサウジCでは3着のタンバランバらとともに3番手グループが妥当な評価か。

アメリカのもう1頭、マグニチュードは2017年のドバイWCで2着のガンランナーと同じチームが手掛けている。サウジCの予定を熱発で変更したものの、結果的に直近2戦のローテーションはガンランナーを踏襲する形になった。ただ、マグニチュードはG1未勝利。同世代で格上のジャーナリズムやバエザ、ネバダビーチらがフォーエバーヤングに完敗しており、今回は試金石といったところだろう。ガンランナーがドバイから帰国後に本格化したように、秋のBCクラシックではフォーエバーヤングの強力なライバルに成長している可能性はあり、長い目でフォローしていきたい素材だ。

(渡部浩明)