昨年にG1を2勝したオンブズマン。(Photo by Getty Images)

オンブズマンが総合力でリード、ガイアフォースは悲願のG1制覇なるか

昨年はソウルラッシュとロマンチックウォリアーが僅差で雌雄を決する激闘に沸いたドバイターフだが、今年は回避馬続出で実力差の大きなメンバー構成となった。最右翼のオンブズマン、一昨年の覇者ファクトゥールシュヴァル、そして日本のガイアフォースの3頭による優勝争いになりそうだ。

オンブズマンは昨年の英インターナショナルSでダノンデサイルと対戦し、強烈な末脚を炸裂させて快勝した。イレギュラーな展開で評価の難しい内容だったものの、勝ちっぷりは鮮烈のひと言。これ以外にもプリンスオブウェールズS勝ち、前走の英チャンピオンSではカランダガンの2着などG1で4戦連続の連対中と、現役では世界屈指の強豪といえる。ゴドルフィンの所有馬で主戦のW.ビュイック騎手が舞台を熟知しているうえ、J.ゴスデン調教師もロードノースでドバイターフ3連覇(3勝目はJ&T.ゴスデン厩舎)の実績があり、総合力で他陣営を大きくリードしている。

ファクトゥールシュヴァルは2年前のドバイターフでナミュールを短アタマ差、ダノンベルーガをさらに3/4馬身差に抑えて優勝した。その後は白星から遠ざかっているが、前走のネオムターフCでは1年4カ月ぶりの連対で健在を印象づけた。ロイヤルチャンピオンには完敗だったものの、実績のない2100mの影響もあったはず。今回の距離短縮は間違いなくプラスで、リピーター傾向のあるレースであることからも、2年ぶりの勝利を手にしても不思議はない。ソウルラッシュから3馬身少々の6着に敗れた昨年のドバイターフはスローペースで馬群が固まり、後方で包まれ仕掛けが遅れる最悪の展開で度外視も可能。



G1初制覇を目指すガイアフォース。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

G1未勝利のガイアフォースは両雄に対して挑戦者の立場だが、パンサラッサとリアルスティール、アドマイヤムーンはこのレースでG1初制覇を飾った。それまでにリアルスティールとアドマイヤムーンにはG1連対歴があり、ガイアフォースも昨年の安田記念でドバイターフ帰りのソウルラッシュに先着するなど通算3回の連対を記録。ドバイターフの日本勢は直近9回連続で連対中と相性抜群で、悲願のG1制覇を果たす可能性もあるだろう。

この3頭以外では前哨戦のシングスピールSで優先出走権を獲得したクドワー、1月のドバイミレニアムS勝ちからドバイシーマクラシックの前哨戦(ドバイシティオブゴールド2着)を経由してきたフォートジョージ、1400mのアルファヒディフォートとラスアルホールで重賞連勝中のエルナジムらもいるが、事前に組まれた現地の重賞組は不振傾向。今年のシングスピールSは超スローペースになり、走破時計は同舞台で行われるドバイターフとの前年比で7秒余りも遅い。勝ったクドワーは直前のアブダビゴールドCでシュトラウスに突き放されて完敗しており、現地組が勝ち負けに絡むのは難しいと思われる。

(渡部浩明)