JAXA(宇宙航空研究開発機構)とNASA(米国航空宇宙局)との間でLUPEX(Lunar Polar Exploration)ミッションに関する実施取決め(IA)への署名が行われました。本協力により、月の南極域の水資源探査を目的とするLUPEXミッションにおいて、NASAのNeutron Spectrometer(NS)がLUPEXローバーに搭載される予定です。

LUPEXはインド宇宙研究機関(ISRO)との国際共同ミッションです。日本はロケットとローバーの開発・運用を担当し、インドは着陸機の開発と運用をそれぞれ担当します。また、LUPEXローバーには日本の観測機器だけでなく、ISROやNASA、ESAの機器も搭載します。


LUPEXミッションのCG画像。右:ISROの開発する着陸機、左:JAXAの開発するローバー。

NASAのNSがLUPEXローバーに搭載

NSは月表面下に存在する水探査を目的とした中性子検出器で、月面レゴリス中の水素の分布を調べることで、水の存在を推定することができます。これにより、LUPEXローバーは月面の浅層に存在し得る水資源の位置と量の特定に向けた高精度の観測を実施することが可能となります。


2025年6月にエイムズ研究センターに訪問した際の写真(Image by JAXA/NASA)
NSチームとローバーのインタフェース調整を実施しています。

LUPEXローバーの運用を支えるNASA DSN

LUPEXローバーの運用にあたって、NASAのDeep Space Network(DSN)から支援を受ける予定です。月の南極域に着陸予定のLUPEXローバーは地球との直接通信によって運用を行います。月極域は約2週間の連続した可視と不可視を繰り返す環境であるため、貴重な可視期間を有効活用するためには、DSNの支援は必要不可欠です。

LUPEXが切り拓く月面資源活用の未来

LUPEXでは、NSによる水素分布データに加え、ローバーに搭載される他の観測機器から得られる多様なデータを組み合わせて解析します。これにより、月極域に存在する水資源の利用可能性、将来の有人探査に向けた知見の獲得が期待されます。
LUPEXの成果は、JAXA、ISRO、NASA、ESAが連携して進める国際探査の重要なステップとなるだけでなく、NASAが推進するアルテミス計画をはじめとした将来月面活動に貢献することが期待されています。
JAXAは国際パートナーとともに、月面の持続的な利用と探査の未来を切り拓く取り組みを進めていきます。