アストンマーティン・ホンダは、2026年F1日本GPのフリー走行1回目(FP1)で、サードドライバーのジャック・クロフォードを起用すると発表した。20歳のアメリカ人ドライバーは、2度のF1王者フェルナンド・アロンソに代わってAMR26を初めてドライブする。

新たなレギュレーションが施行された今季序盤、しかも開幕から3戦目という早い段階でのルーキーの起用は異例といえる。通常はレギュラードライバーの走行機会を優先し、ルーキーの起用義務はシーズン終盤に消化するのが一般的であり、その裏にはチームの事情が垣間見える。

アストンマーチンAMR25に乗り込む育成ドライバーのジャック・クロフォード、2025年F1メキシコGPメディアデーCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンAMR25に乗り込む育成ドライバーのジャック・クロフォード、2025年F1メキシコGPメディアデー

未経験の鈴鹿に挑むクロフォード

日本GPの舞台となる鈴鹿サーキットは、クロフォードにとって未経験のコースだ。高速コーナーが連続するレイアウトは、F1カレンダーの中でも特に技術的難易度が高い。

とはいえ、クロフォードは昨季終盤、2度にわたってFP1に出走しており、今回が直近6カ月で3度目の出走となる。加えて、今回の出走に向けてはシルバーストンのファクトリーで広範なシミュレーター作業に取り組んできた。

クロフォードは、「鈴鹿でドライブできるのを本当に楽しみにしている。本当に過酷で歴史あるサーキットだしね。シミュレーターで学んだことを実際のコースで試すのが待ちきれない」と語り、意欲を示した。

ルーキー起用の背景とアストンの現状

今回の起用は、チームに課されたルーキードライバー起用義務の消化という側面も持つ。規則では、1台のマシンにつきシーズン中2回、グランプリ参戦経験が2戦以下のドライバーをFP1で起用する義務がある。

ただし現場チームを統括するマイク・クラックは実戦的な意義を強調する。クロフォードがシミュレーターで積み重ねてきた作業を評価し、「実際にコース上で経験を積む重要な機会になる」と説明した。

クロフォードはデータ収集の役割も担うことになる。限られた走行時間の中で、クルマの挙動やセットアップに関するフィードバックを提供し、FP2以降の競争力向上に貢献する事が期待されている。

一方で、両レギュラードライバーが十分な周回数を確保できていない状況でのルーキーの起用には、鈴鹿での競争力や走行距離の確保に対し、チームが大きな期待を寄せていない可能性も見え隠れする。もっとも、クラックは早期のルーキー起用の理由について何も語っておらず、正確なところは不明だ。

AMR26はプレシーズンテストの段階から深刻な振動トラブルに見舞われており、アストンマーティン・ホンダは開幕2戦を終えた現段階で、いまだ1台もグランプリレースを完走できていない。

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