【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:ESA/Hubble)
今回紹介するのは、ESA/Hubbleが2000年6月27日付で公開した、ぼうえんきょう座の方向約1億2000万光年先にある棒渦巻銀河「ESO 184-G82」の一部を拡大した画像です。
【▲ ぼうえんきょう座の方向約1億2000万光年先にある棒渦巻銀河「ESO 184-G82」の一部を拡大した擬似カラー画像。星形成領域である青白い水素ガス複合体が帯状に広がっている。この領域内に、1998年に発生したガンマ線バースト「GRB 980425」および超新星「SN 1998bw」の残光とみられる、ひときわ明るくコンパクトな光源がはっきりと捉えられている(Credit: ESA, Stephen Holland (Danish Centre for Astrophysics with the HST), Jens Hjorth, Johan Fynbo (University of Copenhagen))】
1998年4月25日、この銀河の方向でガンマ線バースト「GRB 980425」が検出されました。ガンマ線バーストは、短時間に非常に強いガンマ線が放出される、宇宙でも特に高エネルギーな現象のひとつです。さらに翌日には、ほぼ同じ位置で超新星「SN 1998bw」も見つかりました。ガンマ線バーストと超新星が、ほぼ同じ場所でほぼ同時に起きたことから、2つの現象が同じ天体に由来する可能性が高いと考えられるようになりました。
SN 1998bwは「Ic型」に分類される超新星ですが、通常のIc型より非常に明るく、電波でもきわめて強い放射が観測された特異な天体でした。こうした特徴から、大質量星が最期に起こした非常に激しい爆発、いわゆる「極超新星(ハイパーノバ)」に関連する現象として理解されています。
この画像は2000年6月12日に、ハッブル宇宙望遠鏡の宇宙望遠鏡撮像分光器(STIS)で撮影されました。クリアフィルターのデータを青、赤色フィルターのデータを赤に割り当てた擬似カラー画像です。画像には、活発な星形成領域の中にある水素ガスの複合体や赤色巨星が捉えられており、ガンマ線バーストの発生位置には、超新星の残光とみられるコンパクトな光源も確認されています。また、その下に淡い星団が隠れている可能性も指摘されました。
この観測画像は、ガンマ線バーストと超新星の関係を探るうえで重要な手がかりを捉えた1枚でもあります。宇宙でも特に激しい爆発現象の正体に迫る研究は、今も続いています。
編集/sorae編集部
関連記事参考文献・出典Holland, S. et al., ESA/Hubble heic0003 (2000)Arabsalmani, M. et al., “The host galaxy of GRB 980425/SN1998bw: a collisional ring galaxy”, MNRAS, 485, 5411 (2019) Iwamoto, K. et al., “A hypernova model for the supernova associated with the γ-ray burst of 25 April 1998”, Nature, 395, 672 (1998)
元記事を読む