イラン空爆のために離陸準備態勢に入った「B-52」戦略爆撃機、場所は非公開(3月2日撮影、米空軍のサイトより)

 世界と日本が最も知りたいのは、「この戦争はいつ終わるのか」、そして「ホルムズ海峡の封鎖」という2点に尽きる。

 世界経済にとっては、原油価格の動向、供給不安、そして米国がどこまで中東に戦略的余力を割けるのかが最大の関心事である。

 日本にとっては、原油・LNGの安定調達とシーレーンの安全確保が国家の生命線であり、ホルムズ海峡の安定はその前提条件となる。

 したがって、「戦争はいつ終わるのか」と「ホルムズは止まるのか」の2つこそが、世界と日本にとってのEEI(Essential Elements of Information:最も知りたい情報)である。

ガザ紛争という「物差し」

環境は異なるが、終結パターンの参考になる

 ガザ紛争で明らかになったのは、圧倒的な軍事力の差が、そのまま戦争の「終結の時間差」にはならないという、非対称戦争の鉄則である。

・ハマスは圧倒的に劣勢だった

・しかし軍事的決着はつかない

・政治的にも終わらない

・戦闘強度だけが徐々に下がる

・結果として「未完の終結」が続く

 これは、ベトナム、アフガニスタン、イラク、レバノン戦争と同じ構造である。

 非対称戦争では、軍事的勝利が政治的勝利に結びつかず、弱者側は「生き残るだけで勝ち」という構造を持つ。

 この「終わらない戦争」の構造をイラン戦争に当てはめると、長期化はむしろ必然に見えてくる。

イラン戦争はガザ以上に「終わりにくい」

 理由は明確だ。

・国家vs国家

・代理勢力が中東全域に存在(ヒズボラ、フーシ派、イラク・シリア民兵)

・核問題が絡む

・ホルムズ海峡という世界経済の頸動脈をイランが握る

・米中露の大国間競合が背景にある

 ガザは「局地戦」だが、イラン戦争は「地域秩序」と「世界経済」を巻き込む。したがって、ガザより複雑で、ガザより長期化しやすい。