【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
今回紹介するのは、直径約22kmと推定された中性子星を、ドイツの都市ハノーファーの上に重ねて大きさを比較した想像図です。ハノーファーはこの研究を行ったアルベルト・アインシュタイン研究所がある街で、いわば地元の風景と並べてみたというわけです。
【▲ 直径約22kmと推定された典型的な中性子星を示す青白い球体を、ドイツの都市ハノーファー周辺の衛星写真の上に重ねて比較した想像図。(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)】
この想像図で想定されているのは、太陽の約1.4倍の質量を持つ典型的な中性子星です。研究チームがその直径を算出したところ、結果は約22km。誤差を考慮しても20.8kmから23.8kmの範囲に収まるとされています。
約22kmといえば、だいたいフルマラソンを折り返すくらいの距離です。画像を見ると、中性子星を示す球体がハノーファーの市街地をすっぽり覆っていて、人口50万人以上が暮らす都市がまるごと収まるほどのサイズ感だとわかります。都市ひとつ分の球に太陽を超える質量が押し込められている計算で、1立方cmあたり約10億トンという地球上のどんな物質とも比較にならない極限の密度です。
この数値を導き出したのが、2017年8月に検出された重力波「GW170817」の観測データでした。うみへび座の方向約1億3000万光年先の銀河「NGC 4993」で起きた中性子星どうしの合体から届いた信号で、重力波望遠鏡「LIGO」と「Virgo」だけでなく、可視光線からX線まであらゆる波長の電磁波でも観測されました。重力波と光という異なる「メッセンジャー(届け手)」を組み合わせて同じ現象に迫る「マルチメッセンジャー天文学」が大きな成果をもたらした実例のひとつであり、中性子星の内部構造に迫る貴重なデータも得られています。
この画像はNASAゴダード宇宙飛行センターが作成し、マックス・プランク研究所から2020年3月10日付で公開されたものです。
編集/sorae編集部
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