2026年F1開幕戦オーストラリアGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、最後尾20番手から怒涛の追い上げを見せた。だが、その猛追の最中、姉妹チームに所属する新人アーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)の走りに苛立ちを露わにする一幕があった。
事件は19周目、2度目のバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された際に起きた。5番手を走るリンブラッドと、6番手まで浮上していたフェルスタッペンが同時にピットへ向かった場面だ。
リンブラッドはピットエントリーに進入すると、走行ラインを変えたフェルスタッペンの進路を塞ぐように走行した。さらに速度制限ラインを越えた直後には、わずかに減速したように見え、至近距離にいたフェルスタッペンのタイヤから微かにスモークが上がる場面もあった。
これに対しフェルスタッペンは無線で「ふざけるな!ブレーキテストだ!」と叫び、不満を露わにした。ただ、この一件がスチュワードにより調査されることはなかった。
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アルバート・パーク・サーキットを走行するアーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)、2026年3月8日(日) F1オーストラリアGP決勝
ルーキーとは思えぬ豪胆さ、王者にも動じず
レースを通してリンブラッドは、フェルスタッペンやルイス・ハミルトン(フェラーリ)といったベテランを相手に一切物怖じしない走りを披露。F1デビュー戦で8位入賞という快挙を成し遂げると、終始笑顔でインタビューに応じた。
「1周目には3番手あたりにいたなんて、かなりヤバいよね!」
「自分がまだ若手でルーキーだってことは分かってるけど、一旦クルマに乗れば激しい競争心を持ったドライバーだ。チャンスがあれば必ず仕掛ける」
「チャンスがあれば迷わず突っ込んでいく。誰に対しても引くつもりはないことを、今日は皆に示せたと思う」
18歳の新星の物怖じしない姿勢は、パドックに強烈なインパクトを残した。
14台抜きの追い上げ、それでもメルセデスの背中は遠く
最終的に6位まで順位を上げたフェルスタッペンだが、レース後のインタビューでは特に浮かれた様子もなく、冷静に展開を振り返った。
「追い上げ自体は悪くなかったし、中団の連中とのバトルでバッテリーの使い方についても多くを学べた。それはポジティブな点だ。ただ、今日はハードタイヤを上手く機能させられなかった。すぐにグレイニング(ささくれ摩耗)が出てしまって、結局2ストップに切り替えざるを得なかったんだ」
優勝したジョージ・ラッセル(メルセデス)との差について問われると、「まぁ、気にはなるけど、気にしたところで何も変わらないだろ?」とフェルスタッペンらしい表現で答えた。
「今はただ、一歩ずつ競争力を高めていくだけだ」
