「NebiOS」は、いくつかの理由から極めてユニークな「Linux」ディストリビューションといえる。まず、「Wayland」ベースのコンポジターである「Wayfire」を採用した、美しいデスクトップユーザーインターフェース(UI)の「NebiDE」を備えている。NebiDEはカスタマイズ性と拡張性に優れた軽量なデスクトップ環境だ。モジュール構造を採用しているため、詳細な調整が可能であり、プラグインを追加することで機能の拡充や外観の柔軟な変更にも対応する。
もう一つの特徴は、代替のクラウドストレージサービスである「NebiCloud」とのシームレスな連携だ。NebiCloudはUIに「Nextcloud」を採用し、「Google Workspace」の代替となる環境を構築している。提供される機能は、ファイル管理、カレンダー、写真、アクティビティー、連絡先、通話管理、メモ、音楽、アナウンス、フォーム、テレビ番組、タスク、ポッドキャスト、パスワードマネージャーなど多岐にわたる。
NebiCloudは無料で10GBのストレージを利用できるアカウントを提供しているが、筆者がNebiOSを試用する中で唯一懸念を抱いたのが、このサービスだった。NebiOS自体は現在も活発に開発が進められているものの、NebiCloudに関しては料金体系や開発状況についての情報が乏しい。NebiCloudはオープンソースであり、GitLabのページを確認すると、直近の活動は2024年で止まっている。
筆者はNebiCloudとNextcloudを実際に利用できたが、使用されているバージョンを特定する情報は得られなかった。これがNebiOSにとって何を意味するかといえば、NebiOSをNebiCloudに接続することは可能だが、細心の注意を払うべきだということだ。NebiCloudの開発がしばらく停滞していることを踏まえると、脆弱(ぜいじゃく)性が存在する可能性が高く、現時点でNebiOSをこのクラウドサービスに接続することは推奨できない。
ただし、このことがNebiOSの価値を否定するわけではない。OS自体の開発は継続されており、NebiDEは試してみる価値が十分にある。
NebiOSの評価
筆者にとってNebiOSとNebiDEの使用は今回が初めてだったが、第一印象は「Hyprland」と「KDE Plasma」を組み合わせ、そこに「GNOME」の要素を少々加えたような感覚だった。その洗練されたデザインは、どのようなユーザーでも違和感なく使い始められる親しみやすさを持っている。
NebiDEの構成要素を確認すると、右上にはシステムトレイ、左上にはワークスペースの概要を表示する「Expo」が配置されている。左下にはアプリメニュー、中央下部には拡張可能なパネルがあり、右下からは設定へアクセスできる。さらにデスクトップウィジェットも備えている。

「NebiOS」のアプリランチャーは「GNOME」を連想させる(提供:Jack Wallen/ZDNET)
プリインストールされているアプリには、ウェブブラウザーの「Firefox」、メールソフトの「Geary」、音楽プレーヤーの「Lollypop」や「Videos」、そしてグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ベースのアプリストアである「Bundle Store」が含まれる。Bundle Storeを使えば、必要なアプリをポイント&クリックの直感的な操作でインストール可能だ。
NebiDEの動作自体は極めて軽快だが、開発の初期段階にあるという印象は拭えない。インストール作業中にも、ドロップダウンメニューやボタンが消失したり不安定になったりする問題が発生した。OSのインストール完了後は動作が落ち着き、安定性が向上したように感じられた。

ウインドウコントロールボダンは分かれている(提供:Jack Wallen/ZDNET)
ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)
