一般的な「Linux」ディストリビューション、あるいはOS全般のサイズは通常1GB~5GB程度だ。現代のハードドライブ容量からすれば微々たるものだが、古いマシンを再利用する場合や、常に持ち歩けるポータブルな環境を求めるなら、よりコンパクトな選択肢が必要になる。そこで注目すべきなのが「Tiny Core Linux」だ。
この軽量ディストリビューションはモジュール設計を採用し、以下の3つのエディションが用意されている。
Core:ターミナルのみの構成で、サイズはわずか17MB
TinyCore:FLTK/FLWMによるデスクトップ環境を備え、サイズは23MB
CorePlus:7種類のデスクトップ環境から選択可能で、サイズは248MB
これらは「GB」ではなく、間違いなく「MB」だ。
Tiny Core Linuxは、その名の通り極めて小さく、多くのポータブルOSと同様に、インストールせずにRAM上だけで動作させることもできる(インストールした場合は内部ドライブから起動する)。
ただし、万人向けのOSではない。Linuxの仕組みをある程度理解しているか、少なくともそれを解明しようとする好奇心が必要だ。決して難解すぎるわけではないが、一般的なOSとは作法が異なるからだ。
あえてこの極小OSを選ぶ最大の理由は、その圧倒的なスピードにある。他の追随を許さないほど高速に動作するため、USBメモリーに入れて持ち運ぶ、古いPCを復活させる、店舗用のキオスク端末を作る、子供用PCを用意する、あるいはLinuxの深部を学ぶといった用途には最適だ。新しいことを学ぶ意欲さえあれば、これほど俊敏なOSは他にないだろう。
独特な仕様とインストールの壁
Tiny Coreが初心者向けではないと言われる主な理由は、そのモジュール性にある。例えば、標準のライブ環境を起動しただけではインストール作業が行えない。インストールを実行するには、まず「tc-install」という拡張機能を導入する必要があるからだ。
しかし、「CorePlus」エディションを選べば話は別だ。超高速なデスクトップ環境はそのままに、ネットワーク設定やインストーラーモジュールの追加を自分で行う必要がなく、GUIウィザードに従ってインストールを進めることができる。
とはいえ、CorePlusのインストーラーも初心者には少し不親切かもしれない。外観が古風であることに加え、専門用語が混乱を招く可能性があるからだ。例えば、最初の画面で「Frugal」「USB-HDD」「USB-ZIP」の選択を迫られる。標準的なドライブにインストールする場合はFrugalを選択し、USBメモリーから起動させる場合はUSB-HDDかUSB-ZIPを選ぶのが正解だ。

「Tiny Core Linux」のインストールはとても簡単だ(提供:Jack Wallen/ZDNET)
Frugalを選択した後は「Whole Disk」を選び、使用するディスク(通常は「sda」と表示される)を指定する。その後はデフォルトの「ext4」ファイルシステムを選択し、特に必要がなければ「Boot Options Reference List」画面も変更せずに進めてよい。

理解できているなら、ここでブートオプションを追加できる(提供:Jack Wallen/ZDNET)
筆者が仮想マシンで検証したところ、インストール作業は約30秒で完了した。OS全体がこれほどまでに小さいため、驚異的な短時間で導入できるわけだ。

理解できているなら、ここでブートオプションを追加できる(提供:Jack Wallen/ZDNET)
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