アングル:米国のイラン攻撃、中間選挙を前に試されるMAGAの結束

2月28日、米・イスラエルによる攻撃を受けたテヘランの様子。WANA提供写真。REUTERS

[ワシントン 2月28日 ロイター] – トランプ米大統領が主導する「米国を再び偉大に(MAGA)」運動の一部有力者らは2月28日、イラン攻撃に対し反対を表明し、11月に控える中間選挙で共和党が不利になると警告した。ただ、現時点で支持層の決定的離反にはつながっていない。

トランプ氏が2024年の大統領選で経済再生と戦争を始めないという公約を掲げていた以上、今回の攻撃は党にとってのリスクになるというのが彼らの主張だ。世論調査によれば、有権者はトランプ氏の経済手腕に対し失望の色を深めている。

MAGA支持者でインフルエンサーでもあるジャック・ポソビエック氏は、昨年9月に暗殺された保守系活動家チャーリー・カーク氏に言及。X(旧ツイッター)にこう投稿した。

「米国の若い世代は、国際紛争への深入りよりも国内政治への関心の方がはるかに強いとカーク氏は説いていた。中間選挙の年に、このことを忘れてはならない」

トランプ氏は24年の大統領選で若い男性有権者からの支持を伸ばしたが、最近の世論調査では勢いに陰りが見え始めている。

<共和党による議会支配へのリスク>

トランプ氏が断行したイラン攻撃は、中間選挙の今年、あまりに代償の大きな賭けだ。上下両院の多数派維持を狙う共和党にとって、リスクは一段と高まる結果となっている。

南部ジョージア州14区では今年1月、熱心なトランプ支持者だったマージョリー・テイラー・グリーン氏(共和党)がトランプ氏との対立で辞任した。グリーン氏はXで「イランと戦争をしても、インフレは解消せず生活費も安くならない」と述べた。

同州で後釜を狙うリーガン・ボックス氏もMAGA支持者だが、今回の攻撃には反対の立場だ。

ボックス氏はロイターの取材に対し、イラン指導部は「凶悪」だとしつつ「中東での政権転覆など、成功した試しはない。特に中東においては、ただ事態を不安定化させてきただけだ」と述べた。

イスラエル側は、今回の作戦で最高指導者ハメネイ師が殺害されたと発表した。

世論調査は一貫して、米国人の最大の関心が生活費の高騰であることを示している。だが、第2次トランプ政権は発足から1年1カ月間の大半において外交問題への対応に忙殺されてきた。有権者の不満が爆発し、中間選挙でしっぺ返しを食らうのではないか――共和党の議会指導者らはそう恐れている。

トランプ氏を支持してきた2人組保守派ポッドキャスターのホッジツインズは、350万人のフォロワーに向け、今回のイラン攻撃は24年の公約に逆行するものだと激しく非難した。

「イランの人々を解放するために、トランプ氏に投票したわけではない」

<側近は攻撃支持>

他方で、攻撃を支持するMAGA支持派のインフルエンサーもいる。トランプ氏は国民向けのビデオ演説で、今回の目的はイランの政権交代にあると明言。この「戦争」において米国側に犠牲が出る可能性も示唆した。

トランプ氏に近いインフルエンサーのローラ・ルーマー氏は、Xで「イランは47年以上にわたり米国を攻撃し続けてきた。そして今、第47代合衆国大統領がその恐怖政治に終止符を打つ」と息巻いた。

米軍が今年1月、ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した際、トランプ支持者の多くは迅速で犠牲のない軍事的勝利としておおむね歓迎した。

ミシガン大学のマイケル・トラウゴット名誉教授(政治学)は、現在イラン攻撃を批判しているのは主にMAGA運動の「論客」であり、共和党議員ではないと指摘する。ただ、支持者らが長期的にどう反応するかを断定するには時期尚早だという。

教授はイランとの紛争が泥沼化すれば、核心的なトランプ支持層の一部が離反する可能性があるとも指摘。「一般のMAGA支持者からみれば、今回の件は、『海外紛争には関与しない』という選挙公約に対する明らかな背信行為と言えるからだ」と述べた。

共和党全国委員会はイラン攻撃を支持する声明を出した。一方、議会での反応はおおむね党派によって分かれており、共和党議員の多くは攻撃を不可欠なものだと評した。

トランプ支持派の法律擁護団体「アーティクルIIIプロジェクト」の責任者マイク・デービス氏は28日、ハメネイ師が米軍艦の撃沈を警告した最近のビデオメッセージを引き合いに出し、今回の攻撃を正当化した。

デービス氏は、MAGA層に絶大な人気を誇るトランプ氏元側近スティーブ・バノン氏のポッドキャスト「ウォールーム」に出演。「あのビデオだけで、トランプ大統領がハメネイ師を排除するのに十分な大義名分になる」と語った。

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