(CNN) アマチュアの市民科学者として活動する母と娘がこのほど、オーストラリア沖に広がるサンゴ礁グレートバリアリーフで、これまで確認された中で世界最大となるサンゴの群体を発見した。

自然保護団体「シチズンズ・オブ・ザ・リーフ」の24日の声明によると、見つかったサンゴの群体は全長約111メートルで、サッカーのフィールドとほぼ同じ規模。面積はおよそ3973平方メートルに上る。

同団体によれば、この群体は「グレートバリアリーフでこれまで記録された中で有数の重要性を持つサンゴ構造物」であり、「文書化や地図化が行われたサンゴの群体としては世界最大」だという。

このサンゴは昨年末、同団体の海洋オペレーションコーディネーターを務めるソフィー・カルコウスキー・ポープさんと、その母親で経験豊富なダイバーでもある水中写真家のジャン・ポープさんによって発見された。

サンゴの全長はサッカーフィールドと同程度だった/Jan Pope/Citizens of the Reef
サンゴの全長はサッカーフィールドと同程度だった/Jan Pope/Citizens of the Reef

ポープさんは1週間前に現地で潜水しており、何か特別なものを目にしたという確信があった。そこで、計測機器をもって母子2人で再訪した。

「水に入った瞬間、すぐに自分たちが目にしているものの重要性が分かった」とカルコウスキー・ポープさん。アルファベットの「J」の形に広がるサンゴを横断するように泳ぎながら2人で撮影したところ、「端から端まで泳ぐだけで動画の尺が3分も必要だった」という。

サンゴの大きさについては、水中での手動計測に加え、水面上のプラットフォームから撮影した高解像度の画像によって確認した。

シチズンズ・オブ・ザ・リーフによると、このデータは後日、サンゴの3Dモデルの作成に活用されたという。

母親のジャン・ポープさんと娘のソフィー・カルコウスキー・ポープさん/Citizens Of The Reef
母親のジャン・ポープさんと娘のソフィー・カルコウスキー・ポープさん/Citizens Of The Reef

豪クイーンズランド工科大学ロボット工学技術センターの研究エンジニア、セリーナ・モウ氏は、こうした空間モデリングは現地の様子やその変化をモニタリングするうえで有用だとコメント。これにより「将来同じ場所を訪れ、1対1の直接比較を行ってサンゴが時間とともにどう変化するか理解することが可能になる」と説明した。

今回の地点はグレートバリアリーフの他の地域と比べて潮流が強い一方、熱帯低気圧による波の影響は比較的少ないことが分かっている。科学者らは、これらの条件が大規模なサンゴ構造物の形成に寄与した可能性がないか調査を進めている。

シチズンズ・オブ・ザ・リーフによれば、サンゴの正確な場所は「意図しない影響のリスクを減らす」目的から非公表にされているという。

グレートバリアリーフは地球上で最大の生きた構造物で、多種多様な生物が生息する。ただ、近年は大量白化現象に見舞われ、色鮮やかだったサンゴの一部が白く変色している状況だ。

世界各地のサンゴが同様の状況に陥っており、2023年に始まった記録的な海水温の上昇による世界的な白化現象で、海洋サンゴ礁の8割以上が打撃を受けた。白化はサンゴの体内で共生して栄養源となっていた藻類を死滅させるため、致命的になり得る。