今年も世界各国の海外主要レースが開幕する。まずは、サウジアラビアの首都リヤド近郊、キングアブドゥルアジーズ競馬場で行なわれるGIサウジカップ(現地2月14日/ダート1800m)だ。

日本でも馬券が発売される同レースは、賞金総額2000万ドル(約30億円)、1着賞金1000万ドル(約15億円)という世界最高賞金を誇る。

今年の出走予定馬は14頭。日本からは、昨年のJRA年度代表馬フォーエバーヤング(牡5歳)をはじめ、サンライズジパング(牡5歳)、ルクソールカフェ(牡4歳)の3頭が出走する。

無論、注目は日本の大将格となるフォーエバーヤング。昨年のこのレースで香港のロマンチックウォリアーとの激闘を制して、秋にはダートの本場アメリカの最高峰の一戦、GIブリーダーズカップクラシック(デルマー・ダート2000m)で日本調教馬初の勝利を果たす偉業を遂げた。

今年は、秋には芝レースへの挑戦も取り沙汰されているが、春は昨年同様、ここから始動。このサウジカップ連覇と、昨年3着に敗れたGIドバイワールドカップ(3月28日/メイダン・ダート2000m)での戴冠を狙う。

レースを3日後に控えた2月11日には、僚馬アメリカンステージをパートナーに追い切りを消化。アメリカンステージの外から余裕たっぷりの走りで併入し、軽快な動きを披露した。

フォーエバーヤングの強さは今さら説明するまでもないが、舞台となるキングアブドゥルアジーズ競馬場では、3歳時にもGⅢサウジダービー(ダート1600m)を制していて2戦2勝。昨年のサウジカップではコースレコード勝ちという圧巻のパフォーマンスを見せており、海外の大手ブックメーカー各社でも1倍台か、2倍のオッズで断然の評価を受けている。

今回のフォーエバーヤングはある意味、勝つかどうかではなく、どのような勝ち方をするかが問われている。

だが、競馬に絶対はない。

フォーエバーヤングにとって、ここは昨年11月以来、およそ3カ月ぶりのレース。最大目標が次のドバイワールドカップであることを考えれば、万が一がないわけではない。

では、そんなフォーエバーヤングを脅かすとすれば、どの馬か。

海外の大手ブックメーカー各社でフォーエバーヤングに続く2番人気に推されているのは、昨秋のGIブリーダーズカップダートマイル(デルマー・ダート1600m)の覇者ナイソス(牡5歳/アメリカ)。8戦7勝、2着1回という実績からしても侮れない存在となるが、ここはあえて、前走のGⅡラフィットピンカイジュニアS(サンタアニタ・ダート1700m)でナイソスの2着となった同厩舎の

ネバダビーチ

(牡4歳/アメリカ)に注目したい。

サウジカップでの一発が期待されるネバダビーチ

サウジカップでの一発が期待されるネバダビーチ

ネバダビーチはここまで7戦4勝、2着2回、着外1回という成績だが、今回と同じダート1800m戦では3戦3勝。そのうち、アメリカのGIグッドウッドS(サンタアニタ・ダート1800m)では、前年のブリーダーズカップダートマイルの覇者フルセラーノを下してGI制覇を果たしている。つまり、ナイソスやビショップスベイ(牡6歳/アメリカ)ら同じアメリカの人気馬とは、距離適性でアドバンテージがある。

また、ブリーダーズカップクラシックではフォーエバーヤングに大きく離されての7着に敗れているが、その時はインコースを運んだ先行勢の4~5番手を追走。勝負どころでバテて下がってきた馬によって進路を塞がれ、動き出せなかったことが痛かった。結果、最後は流したことによる着差ゆえ、決して悲観するものではない。スムーズな追走から直線でうまく抜け出すことができれば、一発あっても不思議ではない。

そしてもう1頭、大駆けへの期待が持てるのは、日本の

サンライズジパング

だ。

フォーエバーヤングとは、2歳時の地方交流GⅢJBC2歳優駿(門別・ダート1800m)、3歳時の地方交流GIジャパンダートクラシック(大井・ダート2000m)と2度対戦。いずれも、2着、3着とフォーエバーヤングの後塵を拝している。

ただ、見方を変えれば、フォーエバーヤングとの対戦時には大崩れがなく、自身の持ち味をしっかり発揮している。一緒に走る相手としては、かなり相性がいいのではないか。

さらに、前走では芝のGI有馬記念(中山・芝2500m)に出走。一線級のメンバーが集うなか13番人気の低評価だったが、勝ったミュージアムマイルからコンマ3秒差の5着と好走している。状態自体は、上り調子にあると見ていい。

過去を振り返れば、昨年クビ差2着のロマンチックウォリアーもそうだが、2021年の勝ち馬ミシュリフ(英国)、2023年のレースを制した日本のパンサラッサなど、サウジカップでは芝での実績馬が好成績を挙げている。これら3頭がGI馬だったことを踏まえれば、サンライズジパングはやや見劣るものの、チャンスはゼロではない。

同馬を管理する前川恭子調教師は、昨年春の開業前までフォーエバーヤングを管理する矢作芳人厩舎の海外遠征に研修として帯同。そういった経験もあって、サンライズジパングのサウジカップ参戦という選択を下した。ここで予想を上回る激走を果たせば、矢作調教師への最大の恩返しになるのではないだろうか。

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