Linuxに少しでも触れたことがあれば、「Ubuntu」が市場で最も普及しているディストリビューションの一つであることはご存じだろう。
Ubuntuは非常に予測しやすいリリースサイクルを持っており、4月に「.04」、10月に「.10」がリリースされる。この正確さは時計のようであり、リリースの準備や期待を高めるのを容易にしている。これほど規則正しく運用されているオペレーティングシステム(OS)は極めてまれである。
4月に新たな長期サポート版(LTS)である「Ubuntu 26.04 LTS」(コードネーム:Resolute Raccoon)がリリースされる。このリリースは、セキュリティを極めて重視した内容となっている。Canonicalの計画については、こちらの記事で詳しく解説している。
筆者が最新のデイリービルドを試用した際の第一印象は、「いつものUbuntuだ」というものだった。しかし、深掘りしていくうちに、これが実は極めて重要なリリースであることに気づかされた。
注目すべき新機能と技術的進化
Ubuntu 26.04には、特別なディストリビューションたらしめる数々の注目すべき機能が搭載されている。
「GNOME 50」の採用:この人気デスクトップ環境の最新版における最大のトピックは、コアコンポーネント(MutterやGNOME Shellなど)からついに「X11」の“残りモノ”を完全に排除したことである。これにより、本バージョンからUbuntuは厳格な「Wayland」専用ディストリビューションとなる
コアシステムのRust化:メモリーの安全性を高めるため、一部にRust実装が採用された。具体的には「sudo-rs」の導入により、メモリーの安全性向上、エラーメッセージの改善、コード管理の効率化が図られている。また「ls」「cp」「mv」などの基本コマンドを含む「rust-coreutils」も導入された
Waylandの強化:NVIDIA製GPUでのパフォーマンスを向上させるため、「Mutter」にパッチが適用された。これにより「ブロックされたフレーム時間」(メインスレッドが優先タスクに応答できなくなる時間)が大幅に短縮されている
amd64v3対応:最新のCPU向けに最適化されたパッケージバリエーションがオプションで提供され、パフォーマンスの向上が期待できる
統合ソフトウェア管理:新しい「Ubuntu App Store」(GNOME Software)が、「DEB」「Snap」「Flatpak」の全パッケージ形式を一括管理する
AMD ROCmネイティブパッケージ:AIや機械学習のセットアップを簡素化するため、AMD製GPU向けの「ROCm」パッケージがネイティブで提供される
Ubuntuのインストールがどれほど簡単かは、一度でも経験すれば理解できるだろう。筆者は、Ubuntuのインストーラーである「Ubiquity」は、現存するあらゆるOSの中で最も使いやすい部類に入ると考えている。最新の26.04でもこのプロセスは変わらない。近年のバージョンと同様、ポイント&クリックだけで誰でも完結できる。
