【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)

今回紹介するのは、天の川銀河内で見つかった「巨大な空洞(バブル)」のイメージ画像です(2021年9月22日公開)。画像では空洞の構造が緑色の球体として示されており、その表面(シェル)にはペルセウス座方向の分子雲(赤)と、おうし座方向の分子雲(青)が分布している様子が分かります。

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Milkyway zoom in 0【▲ 天の川銀河の想像図と、その中に位置する巨大な空洞「ペル・タウ・シェル」の拡大イメージ。緑色の球体として描かれた空洞の表面に、赤色のペルセウス座分子雲と青色のおうし座分子雲が分布している様子が示されている(Credit:Alyssa Goodman/Center for Astrophysics | Harvard & Smithsonian)】

この構造は「Per-Tau Shell(Perseus-Taurus Supershell)」と呼ばれ、見かけ上は近くに並んで見える2つの星形成領域の“間”に、直径約500光年規模のほぼ球形の空洞が存在しています。

発見の鍵になったのは、ESA(欧州宇宙機関)の位置天文衛星「ガイア(Gaia)」などのデータを用いて作られた、ガスや塵の3Dマップでした。これまでの2D(平面)観測だけでは分かりにくかった分子雲の奥行きや距離関係が整理され、2つの分子雲が”同じ場所でつながっている”ように見えていたのは見かけの効果だったこと、そしてその間には実際には大きな空洞があることが浮かび上がりました。

研究チームは、この空洞が約1000万年前の超新星爆発によって周囲のガスや塵が押し広げられて形成されたと考えています。形成要因としては、単発の超新星、あるいは複数回の超新星が長い時間をかけて作った可能性が挙げられています。また、空洞の表面付近では、すでに多数の星が存在、あるいは形成が進んでいるとされています。

この発見以降、私たちが住む太陽系を含む「ローカルバブル」や、オリオン座の「バーナードループ」など、類似した構造の解析が急速に進みました。ガイア衛星のデータが描き出したのは、宇宙空間が超新星爆発によって蜂の巣のように泡状に区切られ、その表面で新たな星が生まれているという、天の川銀河の複雑な構造が明らかになりました。

 

編集/sorae編集部

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