NY外為市場=円反発、当局のけん制発言で下げ止まり 地政学リスク注目

2018年8月撮影。REUTERS/Marcos Brindicci

[ニューヨーク 14日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで1年半ぶりの安値から回復した。片山財務相と三村淳財務官が相次いで円安をけん制する発言を行ったことで、円相場が上向いた。ただ、政府・日銀が極めて近い将来に為替介入を実施する可能性は現時点で示唆されていない。米欧の金融政策の行方を見極めようとする動きの中、ドルは対ユーロでは小幅に上昇した。

市場では、イラン当局者が米国が攻撃した場合には米軍を受け入れている近隣諸国の米軍基地を標的にすると警告したことなどを受け、引き続き地政学的な緊張の高まりが注目されている。

終盤の取引で円は対ドルで0.43%高の158.46円。一時は159.45円と、2024年7月以来の安値を付けた。

片山さつき財務相は14日、官邸内で記者団に対し、先週末以降の円安を「憂慮している」とし、行き過ぎた動きには「あらゆる手段を排除せず、適切な対応を取る」とけん制。三村淳財務官も、先週来の為替には急激な動きがみられ極めて憂慮しているとし、行き過ぎた動きに対し「あらゆる手段を排除せず、適切な対応を取る」と改めて強調した。

モルガン・スタンレーのグローバル為替・新興国市場戦略責任者、ジェームズ・ロード氏は、政府・日銀による介入について「最近の当局発言からは緊急性があまり感じられないため、(実施されれば)市場にとってはサプライズになる」と述べた。

一部では円安は行き過ぎたとの見方も出ている。LMAXグループのアナリストは「投機筋の円買いポジションはほぼ解消されており、ドル/円が160円を上抜ければ新たな円売りポジションが積み上がる余地がある」と指摘。ただ「政府・日銀による介入への警戒が強まっているため、双方向のリスクが高まっている」とした。

主要通貨に対するドル指数は0.06%安の99.13。ユーロ/ドルは0.03%安の1.1637ドル。

ドルはこのところ、米連邦準備理事会(FRB)が今月の会合で利下げを停止し、金利据え置きを決定するとの観測を背景に上昇基調を維持。労働省が先週9日に発表した2025年12月の雇用統計で失業率が4.4%に低下したことを受け、金利は当面据え置かれるとの見方が高まった。

モルガン・スタンレーのジェームズ・ロード氏は「失業率が低下したことで、労働市場が近い将来の利下げの直接的な要因となるのは難しい」と指摘。モルガン・スタンレーは雇用統計を受け、利下げ時期の予想を1─4月から、6─9月に後ずれさせた。

この日発表の米経済指標では、労働省発表の昨年11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)が前年比3.0%上昇。伸びは前月の2.8%から加速した。ただ、ドル相場への影響は軽微だった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.58%高の9万7428ドル。

表はLSEGデータに基づいています
※外為市場

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