政府は、25年12月26日に「令和8年度税制改正の大綱」を閣議決定した。物価上昇局面における基礎控除等の対応や、住宅ローン控除の拡充のほか、NISAの拡充や「こどもNISA」の新設などの方針がまとめられた。

NISAでは、これから資産形成を始める若年層への拡大のため、「つみたて投資枠」の対象年齢を見直し「こどもNISA」を開始する。

これまでのNISAでは、年間120万円までの「つみたて投資枠」、年間240万円までの「成長投資枠」が用意され、18歳以上が対象となっている。「こどもNISA」を新設し、0〜17歳までは年間投資枠60万円、非課税保有限度額600万円までをつみたて投資枠として利用可能にする。これにより、次世代の資産形成を促進し、大学進学等、成人後のライフイベントに伴う必要資金などを備えられるようにする狙い。

こどもNISAは、NISAのつみたて投資枠の一部として扱い、保有枠は18歳以上はNISAの1,800万円の投資枠の中に自動的に移行する。投資対象商品はつみたて投資枠と同様で、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託。払出しについては、12歳以降に「子の同意を得た場合」にのみ、親権者等などによる払出しを可能とする。

NISAの投資商品については、対象株式指数を追加し、「読売株価指数」「JPXプライム150指数」が対象となるほか、債権を中心とした投資信託も追加される。また、現状つみたて投資枠における売買手数料はゼロとなっているが、「定期売却サービス」に限り、必要と認められる手数料の徴収を可能とする。これらの変更は2027年(令和9年)からの導入を予定している。

暗号資産においては、現在は取引から生じる所得は総合課税となっているが、暗号資産取引業者が取り扱う暗号資産については、申告分離課税とするための検討を進める。これにより、現在は売却益に対して最大55%が課されるが、株や投資信託と同様の20%としていく。

住宅ローン関連では、適用期限を5年間延長したほか、既存住宅のうち省エネ性能の高い認定住宅・ZEH水準省エネ住宅に係る借入限度額の引上げ、子育て世帯への上乗せ措置の対象の拡充、床面積要件の40m2以上への緩和等の見直しなどを行なっている。

また、インボイス制度導入に係る経過措置の見直しや、 国際観光旅客税の税率の引上げ(1,000円から3,000円)、防衛特別所得税(仮称)の創設などを含めている。