今回は、日本を代表するミステリー作家、東野圭吾さんの傑作であり、2026年冬にはNHKでのドラマも放送される話題作『雪煙チェ イス』を徹底解説していきます。
00:00 イントロ
05:05 あらすじ
12:30 登場人物など
18:36 ネタバレ
24:01 レビュー
25:52 エンディング
【訂正】
×フレドリック・ブラウン『幻の女』
○ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』
※―※―※―※―
当チャンネルでは、ミステリーに関する様々な動画を投稿しています。
ぜひ、チャンネル登録をお願いします!
https://www.youtube.com/channel/UC_oqz0t6Fkdm5cMehaZXhGA/?sub_confirmation=1
このチャンネルのメンバーになってください!
https://www.youtube.com/channel/UC_oqz0t6Fkdm5cMehaZXhGA/join
※―※―※―※―
東野圭吾の「雪山シリーズ」は、作者自身のスノーボード愛を背景に、雪山を舞台としたサスペンスと人間ドラマを描く作品群です。第1作『白銀ジャック』では爆弾脅迫事件、第2作『疾風ロンド』では生物兵器の捜索が描かれ、いずれも「何かを捜す」物語として高いエンタメ性を誇ってきました。
『雪煙チェイス』では、その“捜す対象”が「人」へと変化します。物語は東京都三鷹市で起きた強盗殺人事件から始まります。容疑者として浮上した大学生・脇坂竜実は、事件当時、新潟県のスキー場でスノーボードをしていました。しかし単独行動だったため、アリバイを証明できる人物がいません。唯一の希望は、スキー場で偶然出会った正体不明の美人スノーボーダー、通称「女神」でした。
脇坂は親友・波川省吾とともに、わずかな手がかりを頼りに長野県の里沢温泉スキー場へ向かいます。一方、警察側では所轄刑事・小杉敦彦が、上司の手柄争いに巻き込まれながら、脇坂を追う立場に置かれます。こうして、無実の容疑者と警察、そしてスキー場の関係者たちが雪山で交錯する、ノンストップの追走劇が展開されていきます。
本作の特徴は、犯人探しよりも「チェイス」に重きを置いた構成です。広大な雪山という舞台が、人探しを極限まで困難にし、物語に強いスピード感と緊張感を与えています。また、シリーズおなじみのパトロール隊長・根津昇平やスノーボード選手・瀬利千晶も登場し、シリーズとしての世界観にも厚みを加えています。
物語後半では、「女神」の正体が、ゲレンデウェディングを控える成宮葉月であることが明らかになります。彼女は妊娠を隠してスノーボードをしていたため、証言を避けていたのでした。最終的に彼女の証言によって脇坂の無実は証明され、真犯人も別に存在することが判明します。
真犯人の正体は比較的あっさりと描かれますが、それは本作が本格ミステリーではなく、冤罪の恐怖や人とのつながりを描くヒューマンドラマであることを強く示しています。作中で語られる「一寸の虫にも五分の魂」という言葉は、どんな小さな存在にも抗う力があるという、本作のメッセージを象徴しています。
読者からは「一気読みできる」「爽快で映像的」といった評価が多く、ミステリーとしての軽さを指摘する声もある一方で、エンターテインメント性の高さは高く支持されています。
2026年には細田佳央太とムロツヨシのダブル主演でNHKドラマ化も予定されており、雪山の迫力と人間ドラマがどのように映像化されるのか、大きな期待が寄せられています。
『雪煙チェイス』は、雪山の疾走感と人の温かさを同時に味わえる、東野圭吾ならではの痛快エンターテインメント作品です。ミステリーの枠を超えた追走劇を、ぜひ小説とドラマの両方で体験してみてください。
