日本の女性の賃金は男性の約75%
厚生労働省が2025年3月に作成した『男女間の賃金格差解消のためのガイドライン』によると、一般労働者の男性の平均賃金水準を100としたときに、一般労働者の女性の平均賃金水準は、2023年段階で74.8%だという。長期的にはその差は縮小傾向にあるものの、先進国の中では韓国に次いで差が大きいこともグラフになっている。
2025年9月24日に放送された「クローズアップ現代」の特集「最賃1000円超だけど…どうする女性の地方低賃金」では、長く地方のジェンダーギャップ解消に取り組む小安美和さんが出演、とくに地方での男女賃金格差の実態を伝えた。そこでは35歳になったら正社員からパートになると決まっている会社の事例や、女性は出世ができないと決まっている事例も紹介された。地方の女性たちが地方を脱出し、東京で職に就こうとする理由がはっきりわかる映像だった。
「男女の賃金格差是正」は、男性にとっても女性にとっても過ごしやすい社会を作るためにも重要な課題だ。2024年10月25日から日本でも公開となり、ドキュメンタリー作品ながら全国でロングランとなっている映画『女性の休日』では、ジェンダーギャップ指数16年1位のアイスランドも、50年前は女性の賃金が男性の60%だったことを伝えている。その問題から目を背けず、国民の9割の女性たちが集って問題点を指摘していったことで、格差是正の法律が施行され、現在ににつながっているのだ。2026年は日本でもさらに「男女の賃金格差」に注目が集まるだろう。
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一方で、家庭内でも女性が稼ぐことを良しとしない例もあるという。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「男女差別が浮気の原因になることは多々あります。妻の昇格や昇給に否定的な夫は多くいます」と言う。
山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせる連載は「探偵が見た家族の肖像」として人気を博した。山村さんはカウンセラーの資格も持ち、問題に悩む顧客のメンタルケアにも言及して伝えているのが現在の連載「探偵はカウンセラー」だ。
時代が浮かび上がる実例から「探偵はカウンセラーSP」としてご紹介する第1回のテーマは「男女の賃金格差」。今回ご紹介するのは 43歳の会社員・咲絵さん(さきえ・仮名)の相談。
彼女は名門大学・大学院を出た才媛だが、男女の賃金格差に直面した。「46歳の夫の様子がおかしくて、妊活どころの話ではなくなってしまったんです」と山村さんに連絡をしてきた。一体何があったのだろうか……。
山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
3歳年上の夫と結婚して15年
今回の依頼者・咲絵さんは、バイオベンチャー企業勤務する43歳の会社員です。夫とは結婚15年で、夫の転勤に伴い5年前に九州から上京。朝9時に「こっちに友達がいなくて、ひとまず相談したいのです」と連絡をいただき、会社帰りにカウンセリングルームに来ることに。咲絵さんはグラマラスな体型の魅力的な女性です。ただ、かなり疲れた様相で、白髪混じりの髪を引っ詰めてまとめており、身なりに構わなくなっている様子が見て取れました。表情も暗く、「心療内科に通っているんですが、全然良くならないんです」と。
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まずは夫婦のなれそめについて伺います。
「主人とは16年前に鎌倉の低山登山で出会いました。私は寺を見に行ったのですが、看板に“ハイキング”とあったので、靴底がつるつるの普通のスニーカーのままコースに入ってしまったのです。でもそこは、ガチの山。下山のときに転んで、腕を擦りむいてしまった時に助けてくれたのが夫でした」
低山登山とは、標高1000メートルほどの山で、「日本に人気百低山」のリストもあります。しかしハイキングといっても山は山。スニーカーだとしても靴底がしっかりしたものでないと危険なこともあります。夫も同じようにスニーカーだったとか。夫は擦りむいたところをペットボトルの水で洗ってくれたそうです。
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「コースを出ても駅まで歩かねばなりません。30分ほど歩くうちに、お互いに理系だったり、好奇心の方向性が似ているところで意気投合。夕食を一緒に食べることになったんです」
