
日銀本店前で1月撮影。 REUTERS/Issei Kato
[東京 15日 ロイター] – 日銀が15日に発表した12月短観によると、大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス15で、2021年12月(プラス18)以来4年ぶりの高水準となった。市場では、今週の金融政策決定会合で日銀が利上げを判断するうえでサポートになると受け止められている。大企業・非製造業の業況判断DIはプラス34と、前回から横ばいだった。
大企業・製造業の業況判断DIの改善は3期連続。半導体需要の増加や米国の関税措置に関する不確実性の低下などが寄与し、前回調査から1ポイント改善した。
改善した業種のうち化学、鉄鋼、電気機械は、半導体需要の増加を要因に挙げた。石油・石炭製品からは、米国の関税措置の不確実性が低下したことや、想定より影響が小さかったことなどの声が聞かれた。一方、自動車は米関税の影響もあり、前回から1ポイント悪化した。
大企業・製造業の先行き判断DIは15で、横ばいを見込む。
大企業・非製造業の先行き判断DIは28と、6ポイントの悪化を見込む。幅広い業種から各種コストの上昇を懸念する声が出ていた。物価高による消費者の節約志向や、日中関係悪化によるインバウンド需要の減少も警戒されている。
ロイターが集計した民間調査機関の予測によると、業況判断DIの予測中央値は大企業・製造業がプラス15、大企業・非製造業はプラス35で、結果はほぼ予想通りだった。
事業計画の前提となる想定為替レート(全規模・全産業)は、25年度通期で1ドル=147.06円。9月調査(145.68円)から円安方向に修正された。
<設備投資は上方修正>
大企業・全産業の25年度の設備投資計画は前年度比12.6%増と、前回9月調査(12.5%増)から小幅に上方修正となった。日銀によると、製造業で土地投資額が上方修正されたことが主な要因。増産投資のほか、資材価格の上昇で設備投資額が上振れているとの声も出ているという。
雇用人員判断(全規模・全産業)はマイナス38。不足超幅は前回のマイナス36から拡大し、91年8月以来の水準となるなど、人手不足感は根強い。
企業の物価見通し(全規模・全産業)は前回と変わらなかった。1年後、3年後、5年後はいずれも前年比プラス2.4%となっている。
SBI新生銀行のシニアエコノミスト、森翔太郎氏は「企業全体では足元の景況感は堅調で、日銀の利上げをサポートする内容だった」と指摘。その先の利上げ判断には内需主導の成長が重要であり、利上げが企業の設備投資意欲に与える影響や、政府が掲げている危機管理投資や成長投資がどの程度効果を上げるかを見極めたいと語った。
短観の調査期間は11月11日から12月12日。回収基準日は11月26日で、約7割から回収した。
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