今後は原則、「マイナ保険証」か「資格確認書」で医療機関を受診することになる。

しかしこの間、厚生労働省は『保険証に関する“暫定措置”』を連発している。

「後期高齢者には全員に資格確認書を送付する」「資格確認のお知らせだけでも受診できる」「有効期限切れの保険証で受診できる」など、医療現場で相次ぐトラブルにその都度対応している形だ。

全国保険医団体連合会(保団連)が実施した「今年8月以降のマイナ保険証利用状況の実態調査」では、回答した全国9580医療機関の7割に「なんらかのトラブル」が発生しているという。

しかも、半数を超える医療機関で「マイナ保険証だけでは保険資格情報の確認ができない」問題が起こっている。

「保険資格情報の確認ができない」と、その場では10割負担となる可能性がある。

政府の暫定措置は2026年3月まで。
それまでにトラブルは解決されるのか。

調査を担当した保団連の上所聡子さんと、医療現場で患者と向き合う井上美佐保団連副会長に話を聞いた。

■ずーっと続くマイナ保険証“三大トラブル”

2023年6月に発表した第一回調査からずっと上位をしめているのが「3種類のトラブル」です。

*「資格情報が無効」
*「●(くろまる)で出る」
*「カードリーダー等の接続不良、認証エラー」

いずれも医療現場に混乱を招く内容ですが、特に問題なのが「資格情報が無効」です。

これは保険情報(資格情報)の確認が出来ない、つまり保険証の役割を果たしていな
いということで、第一回調査では66%、先日発表した「今年8月以降の実態調査」でも51%の医療機関で発生しています。

資格情報が無効になる原因は色々あるのですが、多くは、引っ越しや就職・転職などで保険情報が変わった時に、オンライン上の資格情報の登録・更新手続きにタイムラグが生じることで起こっています。

登録・更新手続きには、「元の保険者」と「新しい保険者」の作業が必要です。

例えば国保の人が引っ越しをした場合、まず元の保険者(転出した自治体)が古い資格情報を無効にし、次に新しい保険者(転入先の自治体)が新たな資格情報を登録します。

古い資格情報が無効にされていて、新しい資格情報の登録がまだの場合、古い方の「無効」という情報しか出なくなるのです。

この登録・更新手続きに時間がかかっていることが、トラブルの大きな要因です。

厚労省は資格変更から10日以内にシステム登録を求めていますが、実際にはもっと時間がかかっており、1~2か月以上更新されていない事例も多くあるのです。