世界経済はトランプ米大統領による関税の影響にもかかわらず、想定以上に堅調に推移している。経済協力開発機構(OECD)がこのような認識を示した。人工知能(AI)への旺盛な投資や、財政・金融政策が下支えしていると指摘した。
OECDは2日発表した最新の経済見通しで、米国とユーロ圏の今年と来年の成長率予測を引き上げた。他の主要国についても小幅に上方修正した。
それでも、世界経済の2026年成長率予想を2.9%に据え置き、今年の3.2%からの低下を見込んだ。関税の影響が今後本格的に表れると予想している。

コーマン事務総長は「世界経済は今年、貿易障壁の引き上げや不確実性の高まりを受けてより急激に減速すると懸念されたが、底堅さを維持している」とした上で「ただ、今年4-6月(第2四半期)には世界の貿易成長が減速しており、より高い関税は今後徐々に物価上昇につながり、家計消費と企業投資の成長を抑えると見込んでいる」と続けた。
トランプ氏が世界貿易のルールを書き換えようとする中で生じた混乱は、国際機関やエコノミストにとって予測が難しい状況を生んでいる。OECDは6月に、米国の今年の成長率が1.6%に減速すると予想したが、9月には1.8%へと上方修正し、現在は2%を見込んでいる。
特に米国で顕著なAI投資の急拡大やデータセンター建設は、経済予測に影響する。AI投資の活況がなかった場合、米国経済は1-6月(上期)に0.1%縮小したとOECDは推計している。

「新テクノロジーの時代に企業が成長するための設備投資に関わるすべてが、経済活動を押し上げている。政策の不透明感や関税が経済活動に及ぼす悪影響の一部を打ち消している」と、OECDのデ・メロ経済総局国別研究部長は指摘した。
それでも、OECDはテクノロジー分野の急速な拡大とAIへの楽観が、資産価格の急激な調整や強制的な資産売却につながるリスクがあると警告。
貿易政策の急速な変更への懸念と相まって、先行きは「脆弱(ぜいじゃく)」であり、見通しには「相当程度のリスクがある」と指摘した。
原題:World Economy Surprisingly Resilient to Tariffs, OECD Says (1)、World Economy Shows Surprising Resilience to Tariffs, OECD Says(抜粋)
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