
フランス、カステルノー=トゥルサンの養鶏場のアヒル、2023年1月24日。REUTERS/Stephane Mahe
[パリ 27日 ロイター] – 野鳥、家禽、哺乳類の間で広がっている高病原性鳥インフルエンザウイルスがヒトの間で感染する変異を起こした場合、新型コロナウイルスよりも深刻なパンデミック(世界的大流行)を引き起こす可能性がある。フランスのパスツール研究所呼吸器感染症センターの責任者、マリアンヌ・ラメックス・ウェルティ氏がロイターに明らかにした。
ラメックス・ウェルティ氏は「われわれが懸念しているのは、ウイルスが哺乳類、特にヒトに適応し、ヒトからヒトへの感染能力を獲得して、ウイルスがパンデミックを引き起こすウイルスとなることだ」と述べた。
ヒトは一般的なH1型やH3型の季節性インフルエンザに対する抗体を持っているが、H5型鳥インフルエンザに対する抗体を持たない。これは新型コロナウイルスに対する抗体がなかったのと同じ状況だという。
また主に弱い立場にある人々を襲う新型コロナとは異なり、インフルエンザウイルスは子どもを含む健康な人々の命を奪いかねないと指摘。「鳥インフルエンザのパンデミックはおそらく非常に深刻で、われわれが経験したコロナ禍よりもさらに重大な事態となる可能性がある」と警告した。
世界保健機関(WHO)の最新の鳥インフルエンザ報告書によると、2003─25年までにヒトへの感染は1000件近くに上り、そのうち48%が死亡した。感染場所は主にエジプト、インドネシア、ベトナムだった。
ただ、国際獣疫事務局(WOAH)の科学部長、グレゴリオ・トーレス氏はロイターに対し、ヒトにおけるパンデミック発生のリスクは依然として低いと語った。
ラメックス・ウェルティ氏はまた、鳥インフルエンザがヒトの間で感染可能な変異を起こした場合、世界はコロナ禍前よりも備えが整っているとし、「新型コロナと比較して、鳥インフルエンザには具体的な予防策が整備されていることが明るい材料だ。ワクチン候補の準備ができており、迅速な製造方法も分かっている」と説明。さらに「原理上、この鳥インフルエンザウイルスに有効な抗ウイルス薬も備蓄されている」と付け加えた。
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