ウクライナとロシアの和平合意交渉を巡り、米ホワイトハウスのレビット報道官は25日、楽観的だが、残された懸案事項を解決するための追加交渉が必要との見解を示した。これに先立ち、ABCニュースが米当局者の話として、ウクライナが和平案の条件に合意したと報じていた。

  レビット氏はソーシャルメディアに「解決すべき微妙な点はいくつかあるが、克服できないものではない。ウクライナ、ロシア、米国の間でさらなる協議が必要だ」 と投稿した述べた。同時に、交渉の「著しい進展」にも言及した。

  ウクライナのゼレンスキー大統領も同日早朝、和平案にウクライナが合意したとの報道を否定した。同氏は、ドイツのメルツ首相との電話会談後、X(旧ツイッター)に「米国側との協議は継続している。米国のあらゆる努力、トランプ大統領の個人的な努力に感謝している」と投稿した。  

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  事情に詳しい関係者によると、領土や安全保障の保証など最も難しく重要な点については、米ウクライナ間でまだ解決されておらず、大統領レベルでの解決が必要だ。交渉は機密事項のため、この関係者は匿名を希望した。

  トランプ米大統領が24日にソーシャルメディアで、ウクライナとの交渉に「大きな進展」があったと示唆したことを受け、合意が間近との憶測が高まっていた。ABCの報道を受け、ブレント原油先物は急落し、ロンドン市場で一時バレル=62ドルを下回った。ロシアの石油産業は厳しい制裁下にあり、和平合意が実現すれば価格から地政学的なプレミアムが一部解消されることになる。

  新興国通貨も一時、取引時間中高値を記録した。ウクライナの通信大手キーウスター・グループの株価は、前場取引で6.3%急騰した。

月内に訪米へ

  米露両代表団は、アブダビで会談を続けている。事情に詳しい関係者によると、ウクライナ軍のキリロ・ブダノフ情報部長も、協議のためアブダビ入りしている。ウクライナ軍情報部は、ブルームバーグ・ニュースのコメント要請に応じなかった。

  ジュネーブで23日に行われた米国とウクライナの協議を経て、和平提案の項目は当初の28から19項目に絞り込まれた。ただし、ウクライナ大統領府のブルシロ副長官は、今後の解決の核心である領土問題に関する議論は、ウクライナ大統領と米大統領の直接会談で取り組む必要があるとしている。 

  ウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記はXに、ウクライナ政府が11月中のできる限り早期に、ゼレンスキー氏の米国訪問を実現させる考えだと投稿した。

  インターファクス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日、アブダビでの会談について問われ、報告すべきことは何もないと述べた。

  ロシアのラブロフ外相は25日、ロシア政府は、米国が欧州諸国やウクライナとの協議を経て、計画案を提示するよう期待していると述べた。ただし、今年初めにアラスカで行われた、トランプ氏とプーチン露大統領の首脳会談で合意した内容からの逸脱は受け入れがたいとの考えも示唆した。

原題:White House Says Ukraine Peace Deal Gaps ‘Not Insurmountable’、US Official Says Ukraine Agrees to Terms of Peace Deal: ABC News、Zelenskiy Says Peace Talks With US Ongoing After Deal Report (1) (抜粋)

 

(ホワイトハウス報道官の発言を追加し更新します)