(CNN) 米国で最も高度な空母「ジェラルド・フォード」を中核とする打撃群が中南米地域に到着し、米国とベネズエラの間の緊張が一段と高まっている。空母打撃群到着の翌日、ベネズエラの首都カラカスでは、市民たちが不安から猜疑(さいぎ)心まで様々な感情を口にした。

米海軍によると、ジェラルド・フォード空母打撃群は、カリブ海で2カ月前から麻薬密輸船の攻撃を行っている他の艦艇の支援に当たる見通し。

米政権は派遣戦力を増強する目的について、米国への麻薬流入ルートのかく乱にあると説明しているが、ベネズエラ政府は米国の本当の狙いは政権転覆だとの見方を示す。一部の米当局者は内々に、ベネズエラのマドゥロ大統領の排除が戦略の狙いだと認めた。

同様の見方はカラカスのオフィス街、エルロサル地区でも一部の市民から聞かれ、米国は他国の内政に干渉すべきではないとの声が上がった。

主婦のノエミ・ロサダさんは「米国はそういった形で干渉すべきではないのではないか。行き過ぎだと思う」と語った。

販売員のホセ・ロマンさんは、差し迫った脅威があるとは思わないものの、人々はまるで何も起きていないかのように振る舞っていると語る。「私たちは好戦的な国ではない。これまでもそうではなかったし、この国の誰もそういった事態に備えていないと思う。今後もそうだろう」

一方、パーソナルトレーナーのフランク・モリーナさんは、状況が激化して米国との衝突に至った場合にどうするか、既に意を決めている。「私たちはベネズエラ人。戦い抜いて死ぬ覚悟だ。私はベネズエラ人であることを誇りに思っているので、死んでも祖国を守る」と話した。

ボリバル国家警備隊(GNB)とボリバル国家警察(CPNB)のメンバー=12日早朝、ベネズエラ首都カラカス/Humberto Matheus/Sipa USA/AP
ボリバル国家警備隊(GNB)とボリバル国家警察(CPNB)のメンバー=12日早朝、ベネズエラ首都カラカス/Humberto Matheus/Sipa USA/AP

米国とベネズエラの間では数カ月前から緊張がくすぶっており、一段と直接的な行動に出る可能性も取り沙汰されている。

CNNの報道では、トランプ政権はベネズエラ国内のコカイン製造施設や密輸ルートを狙う案を検討中。だが政権は最近、連邦議会に対し、ベネズエラ国内への攻撃を正当化できる法的根拠はないと説明した。ただCNNは、複数の当局者がそうした法的見解の概要を検討中だと報じている。

ベネズエラは今週、米国の戦力増強に対抗して、兵員や兵器、装備品の「大規模動員」を進めていると明らかにした。