野村ホールディングス(HD)は28日、2025年7ー9月期(第2四半期)の連結純利益が前年同期比6.4%減の921億円だったと発表した。ホールセール部門が好調で、ブルームバーグが集計したアナリスト3人の予想平均701億円を上回った。

  主要4部門合計の税前利益は同5%増の1326億円だった。グローバル・マーケッツが過去最高の収益を上げたホールセール部門がけん引した。富裕層を主なターゲットにした国内リテールを担うウェルス・マネジメント部門も堅調だった。

     税負担の増加で純利益ベースでは7四半期ぶりに前年同期比で減益となった。4-9月累計の純利益は同18%増の1966億円だった。

主要4部門の7-9月期の税前利益(増減は前年同期比)ウェルス・マネジメント    : 3%増の455億円インベストメント・マネジメント: 4%減の307億円ホールセール         :17%増の531億円バンキング          :31%減の32億円

  日米関税交渉が当初想定よりも低い税率で合意し、企業業績に対する先行き不透明感の払拭などを背景に、日経平均株価は8月以降に史上最高値を相次いで更新した。今月27日には初の5万円の大台に乗せるなど足元でも株高は続いている。一方、米自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ・グループなどの破綻を受け、世界の金融市場では信用不安も広がる。引き続き適切なリスク管理体制が問われる。

  森内博之財務統括責任者(CFO)は同日の決算会見でホールセール部門について「継続的なコストコントロールが着実に収益に現れた」と述べた。グローバル・マーケッツは株式関連のデリバティブが好調だった日本とアジアで大幅増収だった。インベストメント・バンキングは国内が好調な勢いを維持し、海外ビジネスも回復した。「日本のコーポレートアクションは引き続き高水準」とも語った。

  ウェルス・マネジメント部門では、投資一任契約の残高などストック資産が14四半期連続で増加し、ストック収入は512億円と過去最高を更新した。株式を中心に顧客の取引が増加した。

  森内CFOは、米国でのプライベートクレジットを巡る信用不安について「システムリスクを想起させるものではない」と指摘した。プライベートクレジット関連商品についてリスクマネジメントを再点検するとも述べた。また、ネット証券口座の乗っ取りに伴う顧客への補償に関連して、税前利益を48億円押し下げる要因になったという。

  決算後のアナリスト向け電話説明会で森内CFOは、ファースト・ブランズ向けに一定程度のエクスポージャーを取っていたというが、業績への影響は「極めて小さかった」と述べた。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の伴英康シニアアナリストは「各セグメントが一律に堅調で強い決算だった」との見方を示した。4-9月累計の税前利益が前年同期比26%増の2969億円に達したことに触れ、「素直にポジティブ」と評価した。

  7-9月期の年率換算の株主資本利益率(ROE)は10.6%となり、目標とする8-10%を上回った。野村HDは前期(25年3月期)に純利益3407億円を計上し、19年ぶりに過去最高益を更新した。31年3月期に税前利益5000億円超の目標を掲げている。

イベントのお知らせ:グローバル・クレジット・フォーラム東京11月5日(水)午後4時より、ブルームバーグ主催「グローバル・クレジット・フォーラム東京」を開催します。財務省の三村淳財務官や金融庁の伊藤豊長官をはじめ、経営者や金融業界のリーダーらをお迎えし、世界のクレジット市場の課題や今後の展望について議論します。当日にイベントをブルームバーグ端末でご覧になる方はこちらをクリック、オンラインでご覧になる方はこちらをクリックしてください。

(8段落目を追加して記事を更新します。更新前の記事は7段落目の一部表現を訂正済みです)