2つの顔を持った野獣 ベースは911 ターボS

P39 GTハイパーカーが、グレートブリテン島中部ミルブルックのオーバルコースを疾走する。キャビンの人間工学は、ベースの992型ポルシェ911 ターボSへ準じる。RMLの精鋭は、そこに4週間と50万ポンド(約9900万円)を投じ、特別な1台を生み出した。

ステアリングボスには、4枚のダイヤル。リアウインドウはなく、ルーフには水平対向6気筒エンジンへ空気を導く、1.5mのエアダクトが伸びる。アクセルペダルを蹴飛ばすと、素晴らしい共鳴音を奏でてくれる。

RML P39 GTハイパーカー(プロトタイプ)RML P39 GTハイパーカー(プロトタイプ)

「2つの顔を持った野獣」だと、同社を率いるマイケル・マロック氏は発表イベント時に発言した。このGTハイパーカーは、RML社が新設したビスポーク部門の処女作。モータースポーツで培った技術を公道へ展開することを目指した、彼らの夢のマシンだ。

ニュルを6分45秒以下で周回する可能性

GTハイパーカーは、2024年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスで発表されたが、その時点では精巧なCG画像に過ぎなかった。だが既に、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを6分45秒以下で周回する可能性を宿す、試作車が仕上がっている。

つまり、世界最速の公道用モデルの1台になり得る。加えて、長距離巡航との親和性も高いと主張される。サスペンションは、911 ターボSより穏やかな設定にあるらしい。

RML P39 GTハイパーカー(プロトタイプ)RML P39 GTハイパーカー(プロトタイプ)

ちなみに同社は、中国のスーパーカー、ニオEP9の開発へ協力。2017年にニュルブルクリンクを6分45秒で周回させ、EV最速記録の樹立へ貢献している。

ダウンフォースは911 GT3 RS以上

RML社のチーフエンジニア、アダム・エイリー氏が説明する。「当初の目標の1つは、ターボSのプラットフォームにわれわれのボディを与え、ニュルブルクリンクのタイムを削ることでした。しかし、公道をターボSのように走れることも求められました」

「ジキルとハイドのような、二面性あるダンパーとスプリングが必要だったんです」。そこで協力を仰いだのが、R53サスペンション社だった。

RML P39 GTハイパーカー(プロトタイプ)RML P39 GTハイパーカー(プロトタイプ)

スプリングは、通常のターボSと基本レートは同等。強い負荷が加わると、レートが上昇するという。バンプストッパーは想定通り、最も車高を下げた状態で290km/h時に強い入力を受けても、フロアを着地させないために機能する。

GTハイパーカーのダウンフォースは、911 GT3 RSより大きい。911へオプション設定される、マンタイ・パッケージのボディキットなら、更に凌駕できるはずだが。

カーボンボディはゴールドを帯びた「芸術品」