米小売売上高は8月に増加し、3カ月連続の前月比プラスとなった。幅広い分野で増加し、堅調な夏の個人消費を締めくくった。

キーポイント米小売売上高は前月比0.6%増市場予想の中央値は0.2%増前月は0.6%増(速報値0.5%増から上方修正)データはインフレ調整を加えていない

  自動車を除いた小売売上高は0.7%増加した。

  13業種のうち9業種で増加した。中でもオンライン小売りと衣料品店、スポーツ用品店が強く、新学期入りを控えた需要が反映された可能性が高い。自動車はペースを落としたものの増加した。小売売上高全体の押し下げ要因になると一部のエコノミストは予想していた。

  関税で一部品目が値上がりし、センチメントに改善が見られず、労働市場に悪化の兆しが出ている中でも、消費者の購入意欲に変化は見られなかったことが示された。賃金の伸びは抑制されたものの、多くの労働者の賃金はインフレを超えるペースで伸びている。富裕層は株価の上昇という追い風を受けている。

  個人消費は米経済活動の3分の2を占めるため、連邦準備制度理事会(FRB)当局者からの注目度は高い。FRBはトランプ大統領の関税政策が最終的に物価に及ぼす影響を見極めているが、この日始まった連邦公開市場委員会(FOMC)会合では労働市場の悪化にブレーキをかけるために利下げに踏み切ると広く予想されている。

  小売売上高が発表された直後の米金融市場で、株式先物は堅調を維持、米国債利回りは上下に振れた。

  国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は、8月に0.7%増加。7-9月(第3四半期)がこれまでのところ、健全な勢いを維持していることを示唆した。

  個人消費のおよそ3分の1を占める財の購入が、小売売上高の数値を左右する。統計はインフレ調整されていないため、売り上げ増は価格上昇の影響を反映していると考えられる。

  ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「企業は消費者からの反発を恐れて、関税によるコスト高の価格転嫁を先送りしているようだ。これが、4月の『解放の日』後に落ち込んでいた需要の回復につながった」と分析した。

  小売売上高で唯一のサービスカテゴリーである飲食店は8月に0.7%増加。前月はマイナスだった。

  先週発表されたインフレ統計は、大半の企業が8月に値上げを控えたことを示唆した。大幅な値上げは顧客を遠ざけかねないと危惧する企業は多い。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Retail Sales Beat Forecasts in Sign of Solid Summer Spending(抜粋)

— 取材協力 Chris Middleton, Nazmul Ahasan, Julia Fanzeres and Mark Niquette

(統計の詳細やチャート、エコノミストの分析を加えます)