イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXは、米衛星ネットワーク運営会社エコスターから無線周波数帯を取得することで合意した。取得額は約170億ドル(約2兆5100億円)相当。スペースXは衛星インターネット事業スターリンクを運営する。
8日の発表文によると、スペースXはエコスターのAWS-4(2ギガヘルツ)および高速通信向け「Hブロック」の周波数帯ライセンスを取得する。取得に際し、スペースXは最大85億ドルを現金で、残り85億ドルを株式で支払う。
この発表を受け、米国時間8日早朝の時間外取引でエコスター株価は一時64%上昇した。同社は売却で得た資金を一部の債務返済と、継続事業および成長戦略に充てると発表文で説明した。スペースXはまた、エコスターの社債利払い用資金として2027年11月までに約20億ドルを提供することでも合意した。
宇宙から地上の端末にモバイルサービスを直接提供しようとするスペースXのような衛星事業者は通常、地上のモバイルライセンスを保有する少なくとも1社と提携する必要がある。スペースXは現在Tモバイルと提携しているが、今回の周波数帯取得により、より独立した形で独自のサービスを提供できるようになる。
一方、エコスターは、今回の取引と最近のAT&Tへの周波数帯売却により、米連邦通信委員会(FCC)の調査は解決される見通しだと説明した。
FCCは5月、エコスター社が無線・衛星周波数の権利を保有することで生じる義務を満たしているか調査を開始した。これに先立ちFCCは、AWS-4周波数帯を地上移動通信と衛星・地上インフラ間の通信伝送用に指定していたが、エコスターはこの貴重な周波数帯を利用していないとしてスペースXは今年、当局にライセンスの見直しを申し立てていた。
エコスターのチャーリー・アーゲン会長は2011年、破綻した衛星通信会社のDBSDとテレスターからこれらの周波数帯を取得していた。
原題:Starlink Is Said in Advanced Talks to Acquire EchoStar Spectrum(抜粋)
