三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、出資や持ち分法適用会社化を計画しているインドのイエス銀行について、投資額を約1500億円上乗せし、総額4000億円規模に引き上げる方向で検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  三井住友FGは5月に約2400億円の出資を発表済み。関係者によると、これとは別に米投資ファンドのカーライルなどからイエス銀株5%弱を買い取るほか、同行が発行する株式に転換可能な社債(CB)を購入する。株式の持ち分は25%弱となる。イエス銀はCB発行で得た1000億円規模を成長資金に充てるという。

India Seizes Embattled Yes Bank After Capital Raising Plans Fail

ムンバイにあるイエス銀行の支店

Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg

  三井住友FG傘下の三井住友銀行、カーライル、イエス銀の広報担当者はそれぞれコメントを控えるとしている。

  3メガバンクグループは、人口増加や高い経済成長が見込めるインドへの投資を加速している。中でも三井住友FGの動きは鮮明だ。昨年完全子会社化したノンバンクのフラトン・インディア・クレジット(現SMFGインディア)も含め、個人向け金融事業への対外的な投資額は累計で7000億円規模に達することになる。

  三井住友FGがイエス銀への投資額引き上げを検討しているとのブルームバーグの報道後、インド市場では前日の終値近辺で推移していた同行の株価が一時3.3%高の20.65ルピーまで上昇した。

  三井住友FGは5月9日、イエス銀株の20%を約2400億円で取得し、取締役2人を派遣して持ち分法適用会社とする方針を示していた。

  イエス銀は7兆6000億円とインドの民間銀行として6位の資産を持ち、同国全土に1200超の支店網を展開する。一時、創業者一族のガバナンス不全で経営が悪化したものの、インド中央銀行や国立銀行が主導して再建を図り、足元では増益傾向にある。

  三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、インド民間最大手HDFC銀行グループのノンバンクに2500億円規模の出資を模索している。実現すれば日印のトップバンクがリテール分野で手を組むことになる。

  一方、みずほフィナンシャルグループは企業の合併・買収(M&A)助言などの法人取引に焦点を当てる。足元ではインド最大の投資銀アベンダス・キャピタルを買収する方向で最終調整しており、株式の約7割を保有する計画だ。

  邦銀とインド金融機関による提携の枠組みが固まりつつあり、各社の戦略には違いもみられる。ただ、インド市場への本格進出には、金融規制の見通しにくさや商慣習の違いといったハードルも根強く存在する。投資に見合った成果が得られるか、投資後の各社による運営の巧拙が問われる。

(イエス銀の株価動向などを追加して更新します)