米国株市場で7月に入り、目立った変化が見られる。今年上期(1-6月)に出遅れていた銘柄がアウトパフォームに転じる一方、これまで市場をけん引してきた銘柄が人気を失っている。

  投資家は利益確定を進めると同時に、出遅れていたセクターに資金をシフトしている。この結果、ブルームバーグのデータによれば、上期にS&P500種株価指数の中でパフォーマンスが振るわなかったエネルギーセクターは7月、最も高い上昇率となっている。一方で上期に上昇率が2番目に高かった通信サービスセクターは同月、最も下落している。

  ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのグローバル株式・実物資産部門責任者、サミーア・サマナ氏は、「大局的に見れば、人工知能(AI)やドル安、長期金利低下、利下げ期待といった一部のテーマがやや行き過ぎた」と指摘。「現在は少なくとも利益確定の段階に差しかかっているが、全面的な巻き戻しに発展する可能性もある」との見方を示した。

  変化の背景にはバリュエーションの問題もある。ゴールドマン・サックス・グループのデータによれば、上期にパフォーマンスが最も良かった資本財セクターは7月、エネルギーや素材に後れを取っている。資本財セクターの株価収益率(PER)は、過去20年のS&P500種指数との比較で上位2パーセンタイルに位置する。

  これに対し、7月に最も上昇したエネルギーセクターのPERは、下位3パーセンタイルにとどまる。

  米株市場は今年に入り、不確実性に覆われている。中国のAIスタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)の台頭やトランプ米大統領の通商政策などの要因が重しとなってきたが、S&P500種指数は上期終盤に巻き返し最高値圏で推移している。

原題:Market Rotation Puts Shine on S&P 500 Losers as Winners Trail(抜粋)