中東情勢が緊迫化する中、カタール国営石油会社のカタールエナジーは、液化天然ガス(LNG)運搬船に対し、積み荷の準備が整うまでホルムズ海峡の外で待機するよう指示した。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
非公開情報だとして匿名を条件に語った関係者によれば、今回の指示は、船舶に対して積み荷の前日までペルシャ湾を避けるよう勧告する内容。これによって出荷が遅れる可能性はないという。欧州の天然ガス価格は一時4.8%上昇した。
ホルムズ海峡は世界で取引されるLNGの約20%が通過する海上交通の要衝。数日前にイスラエルとイランの戦闘が激化したことで、出荷が遅れるとの観測が広がり、エネルギー価格は既に上昇していた。
カタールエナジーはLNG輸出で世界最大手。今回のような指示は、現時点で判明している限りでは、ペルシャ湾岸の石油・天然ガス生産会社としては初めて。
今週はこれまでのところ、原油を運搬する船舶は依然としてホルムズ海峡を通過しており、通行量は通常を若干下回る程度にとどまっている。世界の原油価格も比較的安定している。ただ、17日には大型タンカー2隻が衝突する事故が起きた。
関連記事:ホルムズ海峡付近のUAE沖でタンカー衝突、火災-不正行為疑いなし
今回のカタールエナジーによるLNGを巡る指示については、ロイター通信が先に報じていた。
カタールエナジーはコメント要請にすぐに応じていない。
ホルムズ海峡を通る輸送への警戒感は日本企業の間でも高まっている。国内最大の発電事業者JERA(ジェラ)の可児行夫会長は18日、都内で開催するエネルギー関連イベントで、LNGの10%をホルムズ海峡経由で輸入しており、緊張が高まる中東情勢を注視していると述べた。

原題:Qatar Advises Caution for LNG Vessels Using Hormuz Strait (1)(抜粋)
(JERA会長の発言を追加して更新します)
