ギャバード米国家情報長官は10日、世界がかつてないほど核戦争に近づいていると警告し、名指しは避けながらも、一部の政治エリートが大国間の対立をあおっていると批判した。
特定の国名には言及しなかったが、その発言はロシア当局が従来から展開してきた見解と重なる内容。また、ウクライナがロシアの戦略爆撃機に対して行ったドローン攻撃が核戦争の可能性を高めたとする米国内極右勢力の主張とも一致している。
ギャバード氏はXに投稿した動画で「私たちは今、かつてないほど核による壊滅の瀬戸際に立たされている。そうした中で、政治エリートや戦争屋たちは、核保有国間の恐怖と緊張を無責任にあおっている」と語った。
さらに「彼らがこのような行動を取るのは、自分たちや家族には一般の人々が利用できない核シェルターがあると確信しているからかもしれない」とし、「この狂気を終わらせるよう声を上げ、求めることができるのは私たち国民だけだ」と続けた。
I recently visited Hiroshima, and stood at the epicenter of a city scarred by the unimaginable horror caused by a single nuclear bomb dropped in 1945. What I saw, the stories I heard, and the haunting sadness that remains, will stay with me forever. pic.twitter.com/TmxmxiGwnV
— Tulsi Gabbard 🌺 (@TulsiGabbard) June 10, 2025
ギャバード氏の事務所に動画に関するコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。この動画は同氏の広島訪問をきっかけに制作されたもの。1945年の米国による原爆投下の余波を目の当たりにしたとギャバード氏は述べており、動画では不穏な音楽が流れる中、被爆者の姿を捉えた記録映像が挿入されている。
「現在の核兵器はわずか数分のうちに数百万人が命を奪う恐れがある。爆心地ではすべてが蒸発するだろう」とギャバード氏は語り、動画はその後、サンフランシスコへの核攻撃でゴールデンゲートブリッジが壊滅する模擬映像に切り替わる。
トランプ米大統領は、インドとパキスタンの衝突が激化した際、米国の仲介によって「核戦争を阻止した」と述べた。また米国は、イスラエルがイランの核施設への攻撃を準備しているとの懸念がある中で、イランの核開発計画の解体を目指している。
林芳正官房長官は11日の記者会見で、ギャバ―ド氏による広島訪問に関し、政府としてのコメントは差し控えたいと述べた。その上で、被爆の実相を正確に理解してもらうことは核軍縮に向けたあらゆる取り組みの原点だとし、核兵器のない世界の実現に向けて「米国と協力しながら、現実的かつ実践的な取り組みを重ねていくことが重要」だとの見解を示した。
原題:Gabbard Warns Global Nuclear Annihilation Is Closer Than Ever(抜粋)
(林官房長官のコメントを追加し、更新しました)
